サ高住で夜間介護が必要になった場合、住宅の職員がいるから自動的に身体介護を受けられるとは限りません。
特定施設指定のないサ高住では、住宅の安否確認・緊急対応と、介護保険の夜間サービスを分けて考えます。必要な介助の回数・時間帯・緊急性によって、訪問介護、定期巡回・随時対応型訪問介護看護、夜間対応型訪問介護、住宅独自サービスなどを組み合わせます。
結論|「午前2時に何が必要か」を具体化し、定期介助と緊急対応を分ける
夜間トイレ、体位変換など毎日必要な支援は予定介助として組み、転倒・呼吸苦など突発的な出来事は緊急対応として確認します。住宅職員、介護事業所、看護・医療の誰が担当するかを決め、対応できない時間帯が残るなら住み替えも検討します。
夜間に必要な支援を「予定」と「突発」に分ける
| 種類 | 例 |
|---|---|
| 予定介助 | 排せつ、体位変換、就寝介助 |
| 突発対応 | 転倒、嘔吐、呼吸苦、急変 |
予定介助
毎晩決まった時間に必要な支援は、介護保険サービス等として事前に組む必要があります。
突発対応
緊急通報後に誰が居室へ来るか、救急要請や医療職への連絡を誰が行うか確認します。
夜間職員がいることと身体介護を行うことは同じではありません
住宅職員の役割が安否確認・緊急通報対応中心なら、排せつ・移乗等は別サービスになる場合があります。
まず夜間に何回・何時ごろ介助が必要か記録する
排せつ
「夜間介助あり」ではなく、23時・2時・5時など具体的な時間と回数を記録します。
体位変換
褥瘡予防などで定期的に必要なら、その間隔を医療・介護職と共有します。
離床・徘徊
認知症による離室がある場合、頻度、時間帯、本人が落ち着く方法を記録します。
家族が補っている介助
家族が泊まり込んでいる場合、その支援も必要介護量として数えます。
定期巡回・随時対応型訪問介護看護を検討する
定期巡回・随時対応型訪問介護看護は、日中・夜間を通じて定期訪問と随時対応を組み合わせる地域密着型サービスです。
一日に複数回の短時間訪問と相性がよい場合がある
朝夕だけでなく、夜間にも短時間の排せつ介助等が必要な人で候補になります。
随時通報にも対応する
通報を受け、必要性を判断して随時訪問する仕組みがあります。
利用できる地域・事業所を確認する
地域密着型サービスのため、自治体・事業所の提供状況をケアマネジャーへ確認します。
POINT
「24時間対応」という言葉だけでなく、本人が夜中に必要とする支援が実際にサービス計画へ入れられるか確認しましょう。
夜間対応型訪問介護という選択肢
地域によっては、夜間の定期巡回や通報対応を行う夜間対応型訪問介護があります。
夜間帯を中心としたサービス
夜間における身体介護等を支援する地域密着型サービスです。
全国どこでも利用できるわけではない
事業所がない地域もあるため、自治体やケアマネジャーへ確認します。
住宅独自の夜間サービスも確認する
夜間見守り
追加料金で巡回回数を増やせる住宅があります。
排せつ介助
住宅独自サービスとして行う場合は、介護保険外の費用、対応回数、職員の資格等を確認します。
緊急駆けつけ
外部警備会社が対応する場合、身体介護まで行うわけではありません。
本人がナースコールを押せない場合
定期巡回
本人から呼べなくても異常を見つけられる頻度か確認します。
見守りセンサー
離床や動き等を検知する機器を利用できるか確認します。
居室環境
トイレまでの照明や動線を整え、転倒そのものを減らせるか検討します。
夜間医療は介護とは別に確認する
訪問看護オンコール
電話相談だけか、必要時に臨時訪問できるかを確認します。
主治医への連絡
夜間・休日に誰が医師へ連絡するかを確認します。
救急搬送
救急要請、家族連絡、病院への同乗の流れを確認します。
夜間介護を増やしたときの費用
介護保険サービスを増やすと自己負担が増え、住宅独自の夜間サービスを利用すれば保険外費用が加わる場合があります。
区分支給限度基準額
対象となる居宅サービスの利用量が限度を超える部分は、原則として全額自己負担です。
現在の家族負担も金額に置き換える
家族の泊まり込みを有料サービスへ置き換えた場合の費用を見ます。
今のサ高住で継続できない目安
夜間の支援空白が残る
必要な時間に介助事業所を確保できない場合です。
二人介助が必要なのに人員を確保できない
移乗等で二人同時対応が必要でも実働人数が足りない場合があります。
夜間医療が必要
必要な処置を看護・医療側で確保できない場合、より対応力のある住まいを検討します。
夜間介護を増やすときの10項目
- 必要な介助の内容
- 回数・時間帯
- 予定介助か緊急対応か
- 夜間に館内にいる職員
- 定期巡回等の利用可否
- 本人が通報できるか
- 住宅独自サービス
- 看護・医療の夜間対応
- 月額総費用
- 追加後も残る支援空白
夜間介護が増えた原因も確認する
夜間の呼出しが増えたからといって、すぐに介護サービスを増やすだけでは解決しない場合があります。
頻尿・便秘・痛み
身体的な不調で夜間に何度も起きている場合があります。急な変化なら主治医へ相談します。
睡眠や薬の影響
昼夜逆転や薬の変更後にふらつき・眠気が出ていないか確認します。
居室環境
トイレまで暗い、ベッドが高い、歩行器を取りにくいなど、環境調整で介助量を減らせる場合があります。
夜間サービス導入後は1〜2週間で再評価する
サービスを増やしただけで安心せず、実際に困りごとが減ったか確認します。
転倒や呼出しが減ったか
支援の時間帯が本人の生活リズムと合っているかを見ます。
本人が眠れるようになったか
巡回や介助が多すぎて睡眠を妨げていないかも確認します。
家族負担が減ったか
家族の夜間泊まり込みが続いているなら、支援がまだ不足している可能性があります。
まとめ|夜間介護は「必要な時刻」と「担当者」を決める
サ高住で夜間介護が必要になったら、住宅職員がいるかだけで判断せず、予定介助と緊急対応を分けます。
定期巡回等の地域サービス、住宅独自サービス、訪問看護等を組み合わせ、それでも必要な時間に支援できない場合は住み替えを検討しましょう。
夜間介護が必要な場合は、住宅職員の配置と訪問介護など外部サービスの対応を分けて確認します。排せつ介助や体位変換など、必要な支援を具体的に伝え、何時に誰が対応するのかを確認してください。