グループホームでは、食事・入浴・排せつなどの日常生活を送りながら、散歩、家事、趣味、休息などを本人の状態に合わせて組み合わせます。
ただし、全国共通の時間割があるわけではありません。認知症のある人が安心して暮らせるよう、これまでの生活習慣や本人のペースを大切にすることが基本です。
結論|一日の流れは「施設の日課」と「本人の生活習慣」の両方で見る
食事や入浴など共通する生活場面はありますが、全員が同じ時間に同じ活動をすることが目的ではありません。起床時間、家事への参加、昼寝、散歩、入浴、就寝などをどの程度本人に合わせられるかが、見学時の重要な確認ポイントです。
グループホームの一日の流れ|時間はあくまで一例
以下は一日のイメージです。実際の時間や活動内容は施設・本人によって異なります。
| 時間帯 | 主な過ごし方の例 |
|---|---|
| 朝 | 起床、洗面、着替え、朝食、服薬 |
| 午前 | 掃除、洗濯、散歩、体操、入浴など |
| 昼 | 昼食、服薬、休息 |
| 午後 | 趣味、買い物、家事、交流、入浴など |
| 夕方~夜 | 夕食、服薬、団らん、就寝準備 |
| 夜間 | 睡眠、トイレ、必要な見守り・介助 |
この表どおりに生活することが良いのではありません。本人の生活リズムに合わせて調整できるかを見ることが重要です。
朝|起床・身支度・朝食を本人のペースで支える
起床時間を一律に決めすぎていないか
早起きが習慣の人もいれば、朝はゆっくり動きたい人もいます。職員配置や食事時間との兼ね合いはありますが、本人の習慣をどの程度尊重できるかを確認します。
できる身支度は本人に続けてもらう
洗顔、歯磨き、着替え、整髪などを、職員がすべて代行するとは限りません。本人ができる部分は続けてもらい、難しいところだけ支援します。
急がせない関わり方も重要
認知症があると、次の動作へ移るまで時間がかかることがあります。短い声かけや、衣類を順番に渡すなど、本人が理解しやすい方法を使います。
午前|家事・散歩・入浴などを生活の中に取り入れる
グループホームでは、本人ができる家事や生活動作を日常の中で続けることがあります。
家事は「役割」であって義務ではない
- 洗濯物を畳む
- 食器を並べる
- テーブルを拭く
- 野菜の下ごしらえをする
- 庭や室内の植物へ水をやる
本人が嫌がる作業を無理にさせたり、できないことを責めたりするものではありません。その日の体調や気分に合わせます。
散歩や買い物も生活の一部
天候や本人の体調がよければ、散歩や近隣への買い物などを行う施設もあります。地域との交流をどのように持っているかを見学時に聞くと、日中の生活を具体的に想像できます。
昼食後|休む人と活動する人がいてよい
昼食後に昼寝をする人もいれば、テレビ、読書、会話、趣味などを楽しむ人もいます。
「全員参加」のレクリエーションばかりになっていないか
集団活動が好きな人もいれば、一人で静かに過ごしたい人もいます。本人が参加しない選択を尊重してもらえるかを確認します。
何もしない時間も生活の一部
予定を詰め込みすぎると疲れたり、落ち着かなくなったりする人もいます。居室や共有スペースで静かに過ごせるかも重要です。
POINT
「レクリエーションが多い=良い施設」とは限りません。本人が参加したい活動を選べ、休みたいときに休めるかを見ましょう。
入浴|回数だけでなく本人が嫌がるときの対応を見る
入浴は清潔保持だけでなく、本人にとって楽しみや習慣でもあります。
入浴時間や方法は本人の状態に合わせる
午前・午後のどちらに入るか、個浴か、どの程度介助が必要かなどは施設と本人の状態によって異なります。
入浴拒否がある場合は理由を探す
認知症がある人が入浴を嫌がるときは、裸になる不安、寒さ、知らない職員への抵抗、時間帯などが影響している場合があります。
無理に入浴させるのではなく、声かけや時間を変える、足浴や清拭を組み合わせるなど、本人の負担を減らす方法を考えます。
夕方から夜|不安が強くなる時間帯の関わりも確認する
夕方になると「家へ帰らなければ」「家族が待っている」と不安を訴える人もいます。
帰宅願望があるときの対応を見る
「ここが家です」と強く訂正するのではなく、本人の気持ちを受け止めながら落ち着ける関わりをするかを確認します。
夕食後は就寝までの過ごし方を整える
就寝時刻を全員同じにするのではなく、本人の習慣や眠気に合わせられるかを確認します。夜更かしの習慣がある人、早く休みたい人など生活リズムは異なります。
夜間|夜勤職員が見守りと介助を行う
グループホームでは、夜間も入居者が生活しています。制度上、夜間は原則としてユニットごとに介護従業者を配置する基準があります。
夜間のトイレ・不眠・転倒リスクを確認する
夜間に何度もトイレへ行く、眠れず歩く、起き上がり時に転倒しやすいなど、本人の状態によって必要な見守りは異なります。
見学では、夜勤者数だけでなく、複数の入居者へ同時に介助が必要になったときの対応も聞いてください。
夜間に看護師が常駐するとは限らない
夜勤の介護職員はいますが、看護職が24時間施設内に常駐することが一律の基準ではありません。夜間に医療的な対応が必要な人は、オンコールや医療機関との連携を確認します。
食事|献立だけでなく準備・介助・食形態を見る
食事は一日の中で大きな生活場面です。何を食べるかだけでなく、本人が食事にどう参加するかも確認します。
食事づくりに関わる場合もある
本人ができる範囲で、盛り付け、食器の準備、片づけなどに参加することがあります。ただし参加を強制するものではありません。
食べる動作や嚥下への支援を確認する
食具の使用、食事姿勢、むせ、食形態など、本人の状態に合わせてどこまで対応できるかを確認します。
見学では「時間割」より職員の関わり方を見る
01
本人のペースを待っているか
職員の都合で急がせず、本人が動き出すまで待つ場面があるかを見ます。
02
できることを奪っていないか
すべて代行するのではなく、本人が続けられる動作を残しているか確認します。
03
参加しない選択も認められているか
行事や体操へ参加したくないときに、居室等で落ち着いて過ごせるかを確認します。
04
夜間の生活も具体的に説明できるか
夜勤者、トイレ介助、不眠時の対応、医療職への連絡方法まで聞きます。
入居前に家族が伝えておきたい生活習慣
- 普段の起床・就寝時間
- 朝食や入浴の好み
- 昼寝の習慣
- 好きな家事や趣味
- 苦手な音や人混み
- 落ち着く声かけ
- 夜間のトイレ回数
- 食事や服薬で気をつけていること
「施設の日課に合わせる」だけでなく、本人の生活歴を施設側へ伝えることで、入居後の環境変化を小さくしやすくなります。
見学で確認したい5点
- 起床・就寝時間をどの程度本人に合わせられるか
- 家事・活動への参加は本人が選べるか
- 入浴を嫌がったときどう対応するか
- 夜間の見守りと介助はどう行うか
- 一人で休みたいときの居場所があるか
まとめ|良い一日の流れは「予定の多さ」ではなく本人らしく過ごせるかで見る
グループホームでは、食事、入浴、排せつなどの日常生活を基本に、家事、散歩、趣味、休息などを組み合わせて過ごします。
全国共通の時間割はなく、本人の認知症の状態、体調、生活習慣に合わせて調整することが大切です。
見学では、予定表だけを見るのではなく、本人のペースを待つ関わり、参加しない選択、夜間の支援まで確認しましょう。
グループホームの1日の流れを本人の生活に置き換えて確認する
グループホームの1日の流れについて一般的な仕組みを理解したら、本人の日常生活に当てはめて考えます。起床から就寝までの中で、本人が自分でできること、支援が必要なこと、家族が続けたい習慣を整理してください。
施設の説明が本人の希望と合うかは、具体的な場面で質問すると分かりやすくなります。外出、食事、入浴、面会、趣味、就寝時間など、本人が大切にしていることを伝え、どこまで柔軟に対応できるかを確認します。
グループホームの1日の流れを見学・契約で確かめる
パンフレットでは分からない部分は、実際の見学で確認します。職員の声かけ、入居者の過ごし方、共用スペース、清掃状態、生活時間帯の雰囲気などを見ると、入居後の生活を想像しやすくなります。
生活ルールに制限がある場合は、理由と例外時の対応も聞きます。本人の状態が変わったときにルールや必要な支援がどう変わるかまで確認すると、入居後の行き違いを減らせます。
最終確認のポイント
- 本人の現在の状態と必要な支援を具体的に伝える
- 日中・夜間・休日で対応が変わるか確認する
- 追加費用と状態変化時の対応を確認する
- 重要事項説明書・料金表・契約書で口頭説明と照合する