費用が安い介護施設を探す|費用を抑えやすい施設と選び方

介護施設を探すとき、「できるだけ費用を抑えたい」と考える人は少なくありません。

ただし、介護施設の費用は、家賃や居住費だけでなく、食費、介護保険サービスの自己負担、医療費、日用品、追加サービスなどを合わせて考える必要があります。

また、一般に費用を抑えやすい施設でも、本人の介護度や入居条件によっては利用できないことがあります。

大切なのは、「月額料金が安い施設」を探すことではなく、本人が利用できる施設の中から、長く支払い続けられる総額で比較することです。

まず結論|費用を抑えたいなら、公的施設を中心に「総額」で比較する

費用を抑えやすい代表的な選択肢は、特別養護老人ホーム(特養)やケアハウスなどです。ただし、入所条件や介護の受け方は施設ごとに異なります。住宅型有料老人ホームやサ高住でも初期費用を抑えられる場合がありますが、介護サービスを多く利用すると総額が増えることがあります。

介護施設の費用は「月額料金」だけでは決まらない

施設を比較するときは、広告や料金表に書かれている月額料金だけを見るのではなく、入居後に実際に支払う費用全体を確認する必要があります。

主な費用は6つに分けて考える

介護施設で確認したい主な費用

  • 入居時に必要な費用
  • 家賃・居住費
  • 食費
  • 管理費・生活支援サービス費
  • 介護保険サービスの自己負担
  • 医療費・薬代・日用品などの実費

施設の種類によっては入居一時金がない場合もありますが、毎月の介護サービス費や追加サービス費がかかることがあります。

POINT

「月額○万円」ではなく、「本人が入居した場合に毎月いくら必要か」で比較することが重要です。

費用を抑えやすい介護施設の主な候補

費用を抑えやすい施設として、まず公的な施設や軽費老人ホームを検討し、そのうえで民間施設も比較すると整理しやすくなります。

01

特別養護老人ホーム(特養)

常時介護が必要で、自宅での生活が難しい人が長期的に生活する施設です。

入所条件
新規入所は原則として要介護3以上
費用
介護サービス費の自己負担、居住費、食費など
特徴
民間の有料老人ホームと比べて費用を抑えやすい場合がある

02

ケアハウス

軽費老人ホームの一つで、高齢などにより一人で生活することに不安があり、家族からの援助が難しい人などを対象とする住まいです。

費用
生活費、居住に要する費用、サービス提供に要する費用など
特徴
所得に応じてサービス提供に要する費用の負担が調整される仕組みがある
注意点
介護の受け方や対応できる介護度は施設によって異なる

03

グループホーム

認知症の人が少人数で共同生活を送りながら、日常生活上の支援や介護を受ける施設です。

対象
認知症があり、原則として施設のある市区町村の住民で、要支援2または要介護1〜5の人
費用
家賃、食費、光熱水費、介護サービス費など
注意点
特養のような費用体系ではなく、家賃などはホームごとに異なる

04

住宅型有料老人ホーム

生活支援を受けながら暮らし、必要に応じて訪問介護などの外部サービスを利用する有料老人ホームです。

費用
家賃、管理費、食費に加え、利用した介護サービスの自己負担など
特徴
入居時費用を抑えた料金設定のホームもある
注意点
介護サービスの利用量が増えると総額も増える可能性がある

05

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)

安否確認と生活相談を基本サービスとする高齢者向け住宅です。

費用
家賃、共益費、生活支援サービス費、食費など
特徴
住宅によっては初期費用を抑えやすい場合がある
注意点
介護や医療サービスを利用すると別途費用が必要になることがある

特養が費用を抑えやすい理由

要介護3以上で長期的な介護が必要な人にとって、特養は費用面から有力な候補です。

介護サービス費の自己負担に加えて、食費や居住費などを支払いますが、所得や資産などの条件を満たす場合には、食費・居住費の負担を軽減する制度を利用できることがあります。

居室の種類でも費用が変わる

特養には、多床室、従来型個室、ユニット型個室などがあり、居住費が異なります。

費用を抑えたい場合でも、本人の生活環境やプライバシーとのバランスを考えて選ぶことが必要です。

特養は「安いから誰でも入れる施設」ではありません

新規入所は原則要介護3以上で、入所希望者が多い場合は必要性などを踏まえて優先度が判断されます。

ケアハウスは所得に応じた費用負担が特徴

ケアハウスは軽費老人ホームの一つで、費用を抑えながら高齢者向けの住まいを確保したい人にとって候補になります。

サービスの提供に要する費用の一部は、本人の所得に応じて負担額が調整される仕組みがあります。

介護が必要になったときの仕組みを確認する

ケアハウスによって、外部の介護サービスを利用するタイプと、特定施設入居者生活介護の指定を受けて介護を提供するタイプがあります。

費用だけでなく、本人が必要とする介護を受けられるか確認してください。

CHECK

ケアハウスを比較するときは、利用料だけでなく「介護が必要になった後に住み続けられるか」も確認しましょう。

民間施設でも費用を抑えられる場合がある

住宅型有料老人ホームやサ高住などの民間施設でも、入居一時金が不要だったり、家賃を抑えた料金設定だったりする施設があります。

ただし、「初期費用0円」「月額料金が安い」といった表示だけで判断するのは避けましょう。

介護サービス費を含めて比較する

住宅型有料老人ホームや一般的なサ高住では、訪問介護などを個別に利用します。

介護度が高くなりサービス利用量が増えると、介護保険の自己負担なども増える可能性があります。

追加料金を確認する

食事、洗濯、通院付き添い、買い物支援、消耗品などが別料金になっている場合があります。

料金表に書かれている基本料金だけでなく、本人の生活を想定した総額を確認してください。

初期費用を抑えたい場合に確認すること

入居時にまとまった資金を準備することが難しい場合は、初期費用の有無も重要です。

入居一時金0円でも月額料金を見る

有料老人ホームでは、入居時費用を抑えたプランが用意されている場合があります。

ただし、初期費用が少ない代わりに月額料金が高く設定されていることもあるため、一定期間住んだ場合の総支払額で比較してください。

敷金・保証金なども確認する

サ高住などでは、入居時に敷金などが必要になることがあります。

退去時の精算方法や返還条件も契約前に確認しましょう。

毎月の費用を抑えるために確認したい制度

介護施設の費用には、所得などに応じて負担を軽減できる制度があります。

介護保険負担限度額認定

一定の所得・資産要件を満たす人が介護保険施設などを利用する場合、食費・居住費について負担限度額が設けられる制度があります。

対象となる施設や条件が決まっているため、入居先が制度の対象か、市区町村へ確認してください。

高額介護サービス費

介護保険サービスの自己負担額が一定の上限を超えた場合、条件に応じて超えた分が支給される制度があります。

食費、居住費、日常生活費などは同じ扱いではないため、何が対象になるか確認が必要です。

生活保護を利用している場合

生活保護を利用している人でも、条件に合う介護施設へ入居できる場合があります。

ただし、費用や施設側の受け入れ状況などの確認が必要になるため、ケースワーカーや施設へ相談してください。

減免制度は施設の料金そのものが一律に安くなる制度ではありません

所得、資産、利用する施設、サービスの種類などによって対象が異なります。本人の条件で利用できる制度を市区町村へ確認しましょう。

費用が安くても確認しておきたい5つのこと

費用を重視することは大切ですが、料金だけで施設を選ぶと、入居後に想定外の負担や住み替えが必要になることがあります。

01

本人の介護度で入れるか

安い施設でも、本人が入所条件を満たさなければ利用できません。

02

必要な介護を受けられるか

現在必要な介助だけでなく、介護度が上がった場合の対応も確認します。

03

医療対応が必要になっても住み続けられるか

持病や医療処置がある場合は、看護体制や医療機関との連携を確認してください。

04

別料金になるサービスは何か

通院、洗濯、日用品、理美容など、基本料金以外の費用を確認します。

05

将来の総費用はいくらか

介護量が増えた場合や料金改定があった場合も含め、長期的に支払いを続けられるか考えます。

費用を比較するときは同じ条件で試算する

施設Aは「月額10万円」、施設Bは「月額12万円」と書かれていても、含まれている項目が違えば単純には比較できません。

本人の条件をそろえて見積もる

比較するときは、本人の要介護度、自己負担割合、食事回数、必要な介護サービス、医療、居室の種類などをそろえて試算します。

見積もりで確認する項目

  • 入居時費用
  • 家賃・居住費
  • 管理費
  • 食費
  • 介護保険自己負担
  • 医療費・薬代
  • 日用品
  • 通院・付き添い
  • その他の追加サービス

1か月だけでなく長期間で考える

長期入居を想定する場合は、初期費用と月額費用を合計して考える必要があります。

特に民間施設では料金プランが複数ある場合があるため、何年住んだ場合に総額がいくらになるか比較すると判断しやすくなります。

費用を抑えたい人の施設選びの順番

01

本人の要介護度と入所条件を確認する

まず、特養やケアハウスなど、本人が利用できる施設を整理します。

02

公的・低負担の選択肢から確認する

条件に合う場合は、特養やケアハウスなどを候補にします。

03

民間施設も同じ条件で比較する

住宅型有料老人ホーム、サ高住、介護付き有料老人ホームなども総費用で比較します。

04

利用できる軽減制度を確認する

市区町村の介護保険窓口などで、本人が利用できる制度を確認します。

05

複数施設から本人の場合の見積もりを取る

同じ条件で見積もりを取り、追加費用まで比較します。

安い施設を探すときに見学で確認したいこと

費用を抑えたい場合でも、最終的には本人が生活できる施設かどうかが重要です。

見学時の確認項目

  • 料金表に含まれている費用
  • 別料金になるサービス
  • 介護度が上がった場合の費用
  • 医療が必要になった場合の対応
  • 夜間の職員体制
  • 居室と共有スペース
  • 食事の内容
  • 退去条件
  • 料金改定の考え方

施設選びで感じたこと

私たちが義母の施設を探したときも、条件だけで決めず、複数の施設を見学しました。

本人にも施設を見てもらい、そのときの反応を確認したことで、料金表だけでは分からない部分も含めて判断できました。

まとめ|「安い施設」ではなく「無理なく払い続けられる施設」を選ぶ

介護施設の費用を抑えたい場合は、特養やケアハウスなどを中心に検討しつつ、本人の条件に合う民間施設も比較すると選択肢が広がります。

  • 月額料金だけでなく総費用を見る
  • 特養は要介護3以上が原則
  • ケアハウスは所得に応じた費用負担の仕組みがある
  • 住宅型有料やサ高住は介護サービス費を別に確認する
  • 利用できる負担軽減制度を確認する
  • 将来介護度が上がった場合の費用も考える
  • 複数施設を同じ条件で比較する

CONCLUSION

費用を抑えるうえで大切なのは、一番安く見える施設を選ぶことではありません。

本人が必要な介護・医療を受けられ、家族が長期的に無理なく支払いを続けられる施設を選びましょう。

費用条件から介護施設を比較する

本人の介護度、希望地域、必要な医療、予算を整理し、複数の施設で実際の総費用を比較してみましょう。

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