グループホームとケアハウスの違い|認知症ケア・入居条件・費用を比較

グループホームとケアハウスは、どちらも高齢者の住まいとして検討されますが、対象となる人や介護の受け方、費用の仕組みは大きく異なります。

特に違いが大きいのは、グループホームが認知症のある人を対象とする地域密着型サービスであるのに対し、ケアハウスは比較的低額な料金で生活できる軽費老人ホームの一種である点です。

まず結論|認知症ケアを重視するならグループホーム、低額な住まいと生活支援を重視するならケアハウス

グループホームは、認知症のある要支援2・要介護1〜5の人が少人数で共同生活しながら専門的な認知症ケアを受ける施設です。原則として施設所在地の市区町村の住民が対象です。ケアハウスは原則60歳以上で、身体機能の低下や高齢などにより一人暮らしに不安があり、家族から十分な援助を受けにくい人などが対象です。介護の必要性だけでなく、認知症の有無と生活支援の目的で選び分けます。

グループホームとケアハウスの最も大きな違い

両者の違いを理解するには、まず制度上の役割を確認します。

01

グループホームは認知症のある人のための共同生活施設

グループホームの介護保険上の名称は「認知症対応型共同生活介護」です。認知症のある人が、1つの共同生活住居で5〜9人の少人数で暮らしながら、食事、入浴、排せつなどの日常生活上の支援や機能訓練を受けます。

家庭的な環境の中で、できることは自分で行いながら生活することを重視するサービスです。認知症があることが前提であり、単に「高齢だから」「一人暮らしが不安だから」という理由だけでは対象になりません。

主な対象
認知症のある要支援2・要介護1〜5
主な目的
認知症ケアを受けながら少人数で共同生活
制度
地域密着型サービス

02

ケアハウスは低額な料金で暮らせる軽費老人ホームの一種

ケアハウスは、老人福祉法に基づく軽費老人ホームの一種です。原則として60歳以上で、身体機能の低下や高齢などにより自立した生活に不安があり、家族から十分な援助を受けることが難しい人などを対象とします。

食事の提供や生活相談など日常生活上の支援を受けながら暮らす施設で、グループホームのように認知症が入居の前提ではありません。

主な対象
原則60歳以上で独立した生活に不安がある人
主な目的
低額な住まいと日常生活支援
制度
軽費老人ホーム

入居条件の違い|認知症の有無が大きな分かれ目

グループホームは認知症の診断等が必要

グループホームは、要支援2または要介護1〜5で、認知症がある人を対象とします。要支援1は利用できません。

入居時には、主治医の診断書などによって認知症であることを確認します。また、少人数による共同生活を送ることに支障がないことも条件になります。

グループホームは「軽度の認知症だけ」の施設ではない

要支援2または要介護1〜5が対象となるため、軽度の人だけが利用する施設ではありません。ただし、必要な医療や介護が施設で提供できない場合は入居が難しいことがあります。

ケアハウスは認知症が必須条件ではない

ケアハウスは、原則として60歳以上で、自炊が難しい程度の身体機能低下がある、または高齢などにより独立した生活に不安があり、家族の援助を受けることが難しい人などを対象とします。

認知症があること自体が一律の入居不可条件ではありませんが、施設の介護体制や本人の状態によって受け入れ可否は異なります。認知症が進行した場合も住み続けられるかは施設ごとに確認が必要です。

地域要件の違い|グループホームは地域密着型サービス

グループホームは地域密着型サービスです。そのため、原則として施設が所在する市区町村の住民が利用します。

住民票を移せば必ず利用できるという単純な仕組みではなく、市区町村ごとの運用や例外もあります。別の市区町村にあるグループホームを希望する場合は、本人の住所地と施設所在地の自治体に確認してください。

ケアハウスはグループホームと同じ地域密着型サービスではない

ケアハウスは軽費老人ホームであり、グループホームのような「原則として施設所在地の市区町村住民」という介護保険上の地域密着型サービスの要件はありません。

ただし、実際の募集条件や入居申込み方法は施設によって異なるため、希望する施設へ直接確認します。

認知症ケアの違い|グループホームは認知症ケアそのものがサービスの中心

グループホームは認知症の特性を踏まえた生活支援を行う

グループホームでは、認知症のある人が安心して生活できるよう、少人数で家庭的な環境をつくり、本人の能力を活かしながら日常生活を支援します。

食事の準備や掃除なども、本人ができる部分は職員と一緒に行うことがあり、役割を持ちながら暮らせるよう支援することが特徴です。

ケアハウスは認知症専門施設ではない

ケアハウスでも認知症のある人が生活している場合はありますが、施設そのものが認知症対応型共同生活介護として設計されているわけではありません。

認知症症状が強くなった場合の見守り、徘徊への対応、夜間支援などは施設ごとに差があります。認知症がある場合は「入居できるか」だけでなく、状態が進行したときも生活を続けられるか確認してください。

介護の違い|グループホームは施設内介護、ケアハウスは施設ごとに仕組みが異なる

グループホームは介護職員が日常生活を支援する

グループホームでは、施設の介護職員が食事、入浴、排せつ、移動などの日常生活上の介護を行います。

認知症対応型共同生活介護は、利用者の負担で施設の介護従業者以外の人から介護を受けることを原則として想定していません。施設内の職員によるケアが生活の中心です。

一般的なケアハウスでは外部の介護サービスを利用する

一般的なケアハウスでは、食事や生活相談などを施設から受けながら、介護が必要になった場合は訪問介護、デイサービスなど外部の介護保険サービスを利用します。

そのため、必要な介護サービスを本人の状態に合わせて組み合わせることができます。一方、介護量が増えた場合にどこまで住み続けられるかは、施設の体制によって異なります。

特定施設の指定を受けたケアハウスは施設内で介護を受ける

ケアハウスの中には、「特定施設入居者生活介護」の指定を受けている施設があります。この場合は、施設が介護サービスを包括的に提供します。

そのため、ケアハウスだから必ず外部介護サービスを利用するとは限りません。候補施設が特定施設の指定を受けているかを確認してください。

POINT

ケアハウスは「介護を受けられない施設」ではありません。

外部サービスを利用する施設と、特定施設の指定を受けて施設内で介護を提供する施設があります。介護方法の違いが、費用や将来の住み続けやすさにも影響します。

費用の違い|グループホームは介護費+生活費、ケアハウスは所得も影響する

どちらの施設でも月額費用が発生しますが、料金の仕組みは異なります。

01

グループホームは介護保険自己負担と家賃・食費などを支払う

グループホームでは、要介護度などに応じた介護保険サービス費の自己負担に加えて、家賃、食費、光熱水費、日用品費などを支払います。

介護保険部分は所得等に応じて原則1〜3割負担です。家賃や食費などは施設ごとに設定されるため、地域や設備によって総額に差があります。

02

ケアハウスはサービス提供費・生活費・居住費などで構成される

ケアハウスでは、サービス提供費、生活費、居住費、居室の光熱水費などが主な費用です。

サービス提供費の本人負担額は、前年の収入などに応じて変わる仕組みがあります。そのため、同じ施設でも入居者によって負担額が異なる場合があります。

介護費はケアハウスの介護提供方法で変わる

外部の介護サービスを利用するケアハウスでは、訪問介護やデイサービスなど利用したサービスに応じて介護保険の自己負担が加わります。

特定施設の指定を受けているケアハウスでは、要介護度などに応じた特定施設入居者生活介護の自己負担が必要です。料金比較では、住居費だけでなく介護費を含めた月額総額を確認してください。

費用は「施設名だけ」で比較しない

グループホームもケアハウスも、地域、施設、介護度、所得、居室条件などで費用が変わります。「グループホームは高い」「ケアハウスは安い」と一律に判断せず、本人の条件で見積もりを確認してください。

生活の違い|どちらも共同生活だが暮らし方は異なる

グループホームは少人数の家庭的な共同生活

グループホームは、5〜9人を一つの生活単位として共同生活を送ります。食事や家事など日常生活の場面を通じて、本人ができることを続けられるよう支援します。

大人数の施設よりも職員や他の入居者との距離が近く、同じメンバーで生活する時間が長くなる傾向があります。そのため、本人が少人数での生活に合うかも重要です。

ケアハウスは自分の居室を中心に生活しやすい

ケアハウスは個室を基本とし、自分の生活を保ちながら食事や生活支援を受ける形が一般的です。

外出や日中の過ごし方なども比較的自分で決めやすい施設があります。ただし、施設によって生活ルールや介護度の高い入居者の割合も異なるため、見学時に実際の暮らし方を確認します。

医療・看取りの違い|どちらも施設差が大きい

グループホームもケアハウスも、医療機関ではありません。医療対応については、看護職員の配置や医療機関との連携状況によって差があります。

グループホームは医療連携体制を持つ施設もある

グループホームには、看護職員や医療機関と連携し、健康管理や医療ニーズへ対応する施設があります。

ただし、たんの吸引、経管栄養、インスリンなど具体的な医療処置に対応できるかは施設ごとに異なります。認知症ケアに強いことと、医療対応が充実していることは別に確認する必要があります。

ケアハウスも医療・看取りの対応は施設ごとに確認する

ケアハウスでも、協力医療機関との連携や看取りに対応している施設がありますが、すべての施設で同じ対応ができるわけではありません。

特定施設の指定を受けているか、看護職員の配置、夜間の対応、状態悪化時の退去条件などを確認してください。

どちらが向いている?本人の状態で考える

01

認知症があり専門的な支援が必要ならグループホームを検討

認知症があり、一人暮らしや家族との在宅生活が難しくなっていても、少人数の共同生活の中で本人ができることを続けられる場合は、グループホームが候補になります。

特に、環境の変化で混乱しやすい人では、少人数で顔なじみの職員や入居者と暮らす環境が合うことがあります。ただし、本人の性格や症状によって相性は異なります。

02

認知症が必須ではなく生活支援を受けながら暮らしたいならケアハウスを検討

一人暮らしには不安があるものの、食事や生活相談などの支援があれば日常生活を続けられる人は、ケアハウスが候補になります。

比較的低額な料金で住まいを確保したい場合にも検討しやすい施設です。介護が必要な場合は、その施設でどのような介護サービスを利用できるかを確認します。

03

将来介護が増える見込みなら「住み続けられる条件」を優先する

現在の状態だけでなく、要介護度が上がった場合や認知症が進行した場合を想定して選ぶことが重要です。

グループホームでは医療ニーズが高くなった場合、ケアハウスでは必要な介護量が増えた場合などに、施設で対応できる範囲を超えることがあります。退居条件も含めて確認してください。

見学・契約前に確認したいポイント

グループホームとケアハウスを比較するときの確認項目

  • 本人が入居条件を満たしているか
  • 認知症への対応方法
  • 介護サービスを誰が提供するか
  • 特定施設の指定があるか
  • 現在の月額総費用
  • 介護度が上がった場合の費用
  • 夜間の職員体制
  • 必要な医療処置に対応できるか
  • 看取りへの対応
  • 認知症や介護状態が進んだ場合の退居条件
  • 本人が生活環境に落ち着けそうか

特にケアハウスでは、施設名だけでは介護の提供方法が分かりません。「外部サービスを利用するのか」「特定施設として施設内介護を受けるのか」を最初に確認すると、費用や将来の生活を比較しやすくなります。

グループホームでは、認知症の症状だけでなく、共同生活との相性、地域要件、医療対応も確認してください。

まとめ|認知症ケアが必要か、生活支援中心で暮らせるかで選ぶ

グループホームとケアハウスは、どちらも高齢者が生活する施設ですが、目的と対象者が異なります。

グループホームは、認知症のある要支援2・要介護1〜5の人を対象とする地域密着型サービスで、少人数の共同生活の中で専門的な認知症ケアを受けます。要支援1は対象外です。

ケアハウスは、原則60歳以上で、一人暮らしに不安があり家族の援助を受けることが難しい人などを対象とする軽費老人ホームです。認知症が必須条件ではなく、介護サービスの提供方法は施設によって異なります。

施設を選ぶときは、費用だけでなく「認知症専門の支援が必要か」「現在の介護量で生活できるか」「将来状態が変わっても住み続けられるか」を確認して比較してください。

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