サ高住で必ず提供されるサービスは、少なくとも状況把握サービス(安否確認)と生活相談サービスです。
一方、食事、入浴介助、排せつ介助、掃除、洗濯、健康管理、看護などがすべてのサ高住に標準装備されているわけではありません。ここを混同すると「思っていた介護が受けられない」というミスマッチが起こります。
結論|サ高住の必須サービスは安否確認と生活相談。介護・食事・医療は別に確認する
安否確認の方法・頻度、生活相談の担当者と時間帯、夜間不在時の連絡方法を確認します。そのうえで、食事、身体介護、訪問看護、通院付き添いなど本人に必要な支援を一つずつ別契約・別料金として確認しましょう。
必須サービス1|状況把握サービス(安否確認)
状況把握サービスは、入居者の状態を確認するための仕組みです。
方法は住宅ごとに異なる
訪室、声かけ、食事時の確認、電話、センサー、緊急通報装置などが用いられます。
回数も一律ではない
「1日何回」と全国一律に固定されているわけではないため、住宅ごとの運用を確認します。
本人が不在の場合
外出・外泊届がないと異常なのか不在なのか判断しにくいため、連絡方法を決めます。
安否確認は常時見守りではない
安否確認サービスがあるからといって、職員が24時間本人を見続けているわけではありません。
確認の間に転倒する可能性もある
定時訪室の直後に転倒した場合、次の確認まで気付けないことがあります。
本人がナースコールを押せるか確認する
認知症や麻痺がある人は、緊急通報装置を操作できない場合があります。
必要なら追加見守りを検討する
定期巡回、センサー、介護サービス等を組み合わせます。
「安否確認あり」=「介護職員がいつでも助けてくれる」ではありません
排せつ・移乗・入浴等の身体介護は別に確認してください。
必須サービス2|生活相談サービス
生活相談サービスは、日常生活の困りごとを相談し、必要な支援先へつなぐためのサービスです。
介護の相談
介護量が増えた場合、ケアマネジャー等につなぎます。
医療の相談
体調変化がある場合、主治医・訪問看護等への相談につなぎます。
生活上の相談
外出、食事、料金、近隣関係など住宅生活上の困りごとを相談します。
生活相談は「何でも無料で代行するサービス」ではない
買い物代行
相談はできても、実際の買い物代行は有料サービスの場合があります。
通院付き添い
住宅職員が毎回無料で付き添うとは限りません。
金銭管理
通帳・現金管理は権限や責任が伴うため、生活相談だけで当然に行うものではありません。
日中の職員体制を確認する
国の基準では、概ね日中にケアの専門家が常駐して状況把握・生活相談サービスを提供することが基本です。
誰が担当するか
社会福祉法人・医療法人等の職員、医師、看護師、介護福祉士等、基準に沿った職員が担当します。
何時から何時までいるか
住宅の登録情報で提供時間・体制を確認します。
担当者が不在の場合
代替の連絡先や緊急時対応を確認します。
夜間は常駐とは限らない
サ高住は全国一律に24時間職員常駐を義務付けた制度ではありません。
緊急通報装置で対応する場合
夜間に常駐しない時間帯は、緊急通報装置等を利用した状況把握サービスが行われる住宅があります。
誰が通報を受けるか
館内職員、外部コールセンター、警備会社などを確認します。
誰が現場へ来るか
電話受付と駆けつけは別の仕組みです。到着方法・時間を確認します。
POINT
「24時間対応」という表示があれば、館内常駐・電話受付・外部駆けつけのどれを指すのか必ず確認しましょう。
食事は必須サービスではない
サ高住では食事提供を行う住宅が多くありますが、登録制度上の必須サービスではありません。
食事契約が任意か確認する
自炊、外部配食、必要な食事だけ利用できるか確認します。
欠食時の料金
外出・入院時の食費減額ルールを確認します。
食事介助は別
食事を提供することと、一口ずつ介助することは別のサービスです。
介護も必須サービスではない
| サービス | サ高住での扱い |
|---|---|
| 安否確認 | 必須 |
| 生活相談 | 必須 |
| 食事 | 住宅ごとに異なる |
| 身体介護 | 外部サービス等で利用 |
| 医療・看護 | 住宅ごとに異なる |
一般型サ高住
訪問介護・通所介護等の居宅サービスを個別契約するのが基本です。
特定施設指定サ高住
施設側が特定施設サービス計画に基づいて介護を提供します。
医療・看護も住宅ごとに違う
訪問診療
協力医療機関や外部クリニックが定期訪問する住宅があります。
訪問看護
本人の病状・保険条件等に応じて利用する場合があります。
看護師の常駐
「看護対応あり」と「24時間看護師常駐」は別なので勤務時間を確認します。
登録情報と実際の契約書を照合する
サービス付き高齢者向け住宅情報提供システム
登録された住宅のサービス内容、設備、費用等を確認できます。
重要事項説明書・契約書
実際に契約するサービス範囲と料金を確認します。
見学で運用を確認する
書面上の「安否確認」が実際にはどの時間・方法で行われているかを聞きます。
本人に必要な支援を時間帯ごとに当てはめる
朝
起床、更衣、排せつ、朝食、服薬。
日中
入浴、外出、通院、買い物、リハビリ。
夜
就寝、夜間排せつ、転倒、急変。
必須サービスだけで足りない時間を、訪問介護・看護・住宅独自サービス等で補います。
必須サービス確認の10項目
- 安否確認方法
- 確認頻度
- 反応がないときの対応
- 生活相談の担当者
- 相談可能時間
- 夜間常駐の有無
- 緊急通報の受付先
- 食事の有無
- 介護の提供方法
- 医療・看護体制
安否確認の「反応がないとき」を確認する
安否確認は、通常時の声かけ方法より、本人から反応がない場合の次の行動が重要です。
再度連絡するだけか
電話やインターホンで再確認するのか、職員が実際に居室まで行くのかを確認します。
居室へ入る条件
緊急時に合鍵で入室する基準、鍵の保管方法、利用記録を確認します。
家族・救急への連絡
現場確認前に家族へ連絡するのか、倒れている場合は住宅側が救急要請するのか、優先順位を確認します。
本人の状態が変わったら必須サービスだけでは足りなくなる
入居時は安否確認と生活相談だけで十分でも、認知症・転倒・服薬忘れ・介護量増加により追加支援が必要になることがあります。
服薬を忘れるようになった
声かけだけでよいのか、手渡し・服用確認・薬管理まで必要かを整理します。
一人で食堂へ行けなくなった
移動介助、居室配膳、食事介助を誰が担当するか確認します。
夜中に助けを呼べなくなった
緊急通報だけでは不足するため、定期巡回、センサー、介護サービス等を検討します。
必須サービスの質は住宅ごとに違う
同じ「安否確認」「生活相談」でも、提供方法や職員体制、相談後の連携力は住宅ごとに異なります。
安否確認の質
形式的な確認だけでなく、食事量・表情・歩行など普段との違いに気付ける運用かを見ます。
生活相談の質
相談を聞くだけで終わらず、必要に応じケアマネジャー、医療、自治体等へ適切につなげられるかを確認します。
家族への情報共有
体調変化や生活上の問題を、どの基準で家族へ連絡するのかを決めておくと安心です。
見学では必須サービスを「実際の1日」に当てはめて確認する
制度上の名称を理解するだけでは、本人に足りるか判断できません。見学時は、本人の普段の生活を朝から夜まで当てはめて質問します。
例えば、朝7時に起きる人なら、その時間に安否確認や介助があるのかを確認します。昼間に外出が多い人なら、不在時の安否確認方法を聞きます。夜中にトイレ介助が必要なら、それは必須サービスの範囲ではなく、別の介護体制が必要です。
生活相談についても「相談できますか」だけでなく、「介護が急に増えた場合、誰へつないでくれますか」「夜間に体調が悪くなった場合は生活相談ではなく誰へ連絡しますか」と具体的に聞くと、住宅の実際の連携力が分かります。
まとめ|必須は安否確認と生活相談。その他は一つずつ契約を確認する
サ高住で必ず提供されるのは、少なくとも安否確認と生活相談です。
食事、身体介護、看護、家事援助などは住宅ごとに異なります。本人の一日の生活に必要な支援を当てはめ、必須サービスで足りない部分を誰が担うかまで確認しましょう。