有料老人ホームとは、民間事業により運営されている高齢者向けの生活施設です。種類は4つに分かれていて健康型と住宅型と介護付が2タイプあります。
民間事業ですが、国土交通省および厚生労働省が定めた「高齢者住まい法」により、サービス付高齢者向け住宅の(有料老人ホーム含む)供給促進のため建設、改修費に対し直接補助を(民間事業者も含む)行うという支援措置の下で設立し、運営しています。
「介護付」と称された施設は特定施設入居者生活介護の指定を受けているのですが、特定施設入居者生活介護とは厚生労働省が定める施設であり、この時点で「特定施設」となります。
そこで入浴、食事、排泄、介護、生活機能訓練などの提供を行うというもので、特定施設への入居者の生活に介護サービスを併設している「特定施設入居者生活介護」という事になります。
その介護費用は介護保険から賄われるのですが、老人福祉法に基づき運営する施設のでの介護保険が適応されるという仕組みです。
少しややこしく感じますが有料老人ホームと介護の関係は、老人福祉法と介護保険法と高齢者住まい法が交わる事で成り立っていると考えると簡単かもしれません。
介護付有料老人ホームは特定施設入居者生活介護なので「老人福祉法の介護保険」が適応で、介護サービスの付かない住宅型と健康型は「老人福祉法と高齢者住まい法の中の生活支援サービスが受けられる」という事です。
住宅型でも外部サービスで介護を受けられる施設があり、かかった介護費用の一割負担で済む限度額に上限があるので利用する際には注意が必要です。
有料老人ホームの種類
有料老人ホームは介護付(ケア付)老人ホームと、住宅型有料老人ホームと、健康型有料老人ホームの3つの種類があります。
この中の健康型有料老人ホームは、老人ホームとは言ってもあまり介護とは関わりはなく、充実したシニアライフを送るための場として見ても良いでしょう。
食事、洗濯、お掃除など生活支援サービス付きの施設で、スタッフは見守りや緊急時には提携している外部サービスに連絡を取り、安全な生活を送ることができます。
施設内はスポーツやレクリエーションの場が充実しているのが特徴です。軽い介護は外部サービスで受けられ、その時に介護保険が適用となる以外はほとんど自己負担というシステムです。
住宅型有料老人ホームは、健康型へ入居する人よりも若干要介護度が高い人が入居します。
施設は生活支援が主流となり、介護や医療は全て外部サービスで受ける形になりますが、医療も介護も緊急を要さない人向けの施設で、医務室や健康相談室といった設備はありません。
要介護度が上がれば、同じ事業者の運営する別の老人ホームへ移ることができます。(これも同じ事業者という決まりは無いのですが、頼みづらいということから同じ事業者に依頼するそうです)
介護付有料老人ホームは、都道府県から指定を受けた民家事業の有料老人ホームです。介護付というのも2つあり、施設内のスタッフが介護するものと、外部サービスで介護スタッフが来るものとあります。
いずれも施設内はバリアフリーで浴室や洗面所、個室など全て介護仕様となっていて、医務室なども完備されています。
有料老人ホームの類型と種類
有料老人ホームは、介護付有料老人ホームと住宅型有料老人ホームと健康型有料老人ホームの3種類に分かれています。それぞれ高齢者向けの住居施設ですが、システムが違います。
高齢者向けと言っても健康型は介護は付きません。そのうえ介護が必要になったとき、退所しなくてはならず件数も極めて少ない老人ホームです。
住宅型も介護は付かず、外部サービスにより介護を受けることはできても入居できる人というのは要介護度数の低い人が対象です。介護付はその名の通り介護が付きます。
有料老人ホームはこの3種類で、類型で分けると4つなります。
健康型有料老人ホームの『食事付き支援型の住居施設』、住宅型有料老人ホームの『生活支援サービスが付いた住居施設』、介護付は2つあり、『介護付サービスが付いた住居施設で、その職員が介護サービスを提供する施設』、もう1つが『介護付サービスが付いた住居施設で、ホームの職員は計画書作成や安否確認などを行い、委託先の介護サービス事業者が介護サービスを提供する施設』。この4種類になります。
介護付の2つが分かれているのは、『一般型特定施設入居者生活介護』、『外部サービス型特定施設生活介護』となります。老人ホームと名のつく施設ですが類型でしっかり分けられています。
健康型、住宅型は自立した生活ができる人が対象。介護付は介護が必要という人が対象です。ちなみに介護付の方は介護専門型と混合型があり、介護専門型は要介護の人が対象で、混合型は要支援以上ということです。
この有料老人ホームの類型を見る際に、「介護付」と称された施設は都道府県から特別施設入居者生活介護の認定を受けた施設だけです。
有料老人ホームのサービスと種類
大きく分けると有料老人ホームは3種類あり、介護付と住宅型と健康型です。介護付有料老人ホームは入所時の状態と変わり、介護が必要となった場合でも引き続きその施設で介護スタッフから介護サービスを受けながら生活できる施設です。
住宅型有料老人ホームは介護が必要となった場合、訪問介護により介護が受けられる有料老人ホームです。
健康型は、元気だけれど一人暮らしでは不安という人が入所する施設で、その間に介護が必要となった時には契約を解除して退所する形です。
しかし、少子高齢化に伴い有料老人ホームも介護が必要な人と必要で無い人を受入する混合型があったり、認知症で専門のスタッフが対応したりカテーテルやインスリン注射といった医療ニーズの高い人も受け入れる施設など様々です。
大きく分けた3つに共通するサービスが、入居者が快適な生活を送れるようにという便利に動けるよう設備を整えるなどの生活支援サービス。
そこから、介護付では食事や排泄、入浴といった介護サービス、カウンセリングやリハビリ、洗濯や掃除といった家事代行サービス、施設によっては医療管理下でのケアなどがあります。
介護認定を受けていてもでも認知症症状があれば入所不可だったり、抱えている疾病に対応できる幅広い介護サービスがあったりと、まさに施設により違いがでます。
そして、住宅型は基本的には介護付有料老人ホームで受けるサービスを訪問型の介護スタッフより受けられるというもので、介護付老人ホームよりはやや介護度数の低い人が利用しています。
健康型は主に生活を充実させるために、食事サービスや建物の設備サービスが整っているという形です。
関東の有料老人ホーム
有料老人ホームの多い都道府県のトップが神奈川で、次が東京都となっています。
神奈川、東京は人口の多さはもちろん、そのぶん生活層も幅広いので個人個人の老後資金や経済状況に合わ せて選択できる有料老人ホームの軒数と種類は、実にピンからキリまでといった具合です。
やはり一番高級、一番安い有料老人ホームが探してもピックアップされるのは関東圏です。
超裕福層の有料老人ホームとされる施設『サクラビア成城』は有名ですね。入居金は1億円以上で、月々の料金は32万から。そこに介護保険利用者負担分がかかるので、32万では足りないのでしょう。
最高の立地にある広く綺麗な施設内にはレストラン、ダンスもできるホール、シアタールーム、アトリエ、陶芸室など他にも娯楽室はたくさんあり、各分野の専門家を招いて楽しめ るそうで、入居者が退屈しないようにレクリエーションに力を注いでいます。
しかし一番の魅力は医療、看護体制との事で、各部屋にはナースコール設置していて深夜でも往診が可能です。
まあ、元々いくら持っていたとしても1億出したらその位が当たり前に思えますが。ともあれ、そのサクラビア成城は現在は入居率100%で空き待ちが出ているらしいです。
超裕福層向けとは別に、関東圏にはリゾート型有料老人ホームというものも多く存在します。立地としては、海を眺め…といった場所で、都心とは違う、ゆったりとした時間を過ごしたい高齢者向けでしょうか。
「リゾートホテルのような」高級施設というより「リゾート地で」ですね。温泉付きやペット可だったり、少々珍しい型が見受けられます。
これも関東ならではでしょうか。都会と地方が密着している地域柄からか、実に様々なニーズに合わせた有料老人ホームがあります。
関西の有料老人ホーム
有料老人ホームは全国に約7500施設あります。一番多い都道府県は神奈川、続いて東京、大阪となっています。
以下、関西圏はトップ5に入る県はなく、むしろ有料老人ホームが少ない県で福井県と滋賀県が入るので全国的にみると関西は有料老人ホームが少ない地域といえます。
その少ない関西地域の中でも有料老人ホームが多いとされるトップ3になっている大阪府はどのような施設事情なのか見てみると、大阪市、吹田市、豊中市など人口が多く物価も高い地域に集中しているので、料金も高い施設が多くあるようです。
人気ランキングで上位を占めている施設は介護付きの有料老人ホームで、入居金が1000万を超す施設もランクインしているので、金払いの良い太っ腹なイメージにピッタリな有料老人ホーム事情にも思えます。
そんな大阪府の有料老人ホームの中に『アクティブライフ豊中』という介護付き有料老人ホームがあり、ここは全国的に人気ランキングに入る施設です。
入居金が必要なく、月額利用料金が456000円(家賃相当分、管理費、食費、介護費用プラス、介護保険利用者負担分ということです。施設はユニットが多く、広い中庭とサロンが付いている大きな有料老人ホームです。
ヘアサロン、屋上庭園、ヒノキの個浴があるなど素敵な施設ですが、医療関連サービスも充実しています。運営する会社(事業者)は、高齢者への質の高いサービスを通じて社会に貢献しているようです。
月々の料金は確かに少し高いですが、入居金がかからない点をみると意外な感じがしますね。
とはいえ介護付き有料老人ホームは月々一番安くても20万から…といわれる現在、月々50万前後の施設が人気とはさすが大阪といったところでしょうか。