本来であれば、介護が必要なご老人をご家庭に置いて、みんなで面倒をみてあげるというのが理想の形になるとは思います。
しかし実際には、仕事をはじめとする日常生活に支障をきたしてしまう可能性が大きくなってしまうということが原因となって、最終的には、特定施設に入居させるほうがベターであるという結論に至るご家庭が多くなってきています。
とは言っても、だれもが特定施設に入居できるというものでもなく、特定施設の中でもケアハウスなどは非常に入居条件のハードルが低いことから、比較的入居しやすいと考えられがちではあるものの、しかし今度はその「入居条件のハードルの低さ」が、入居倍率の急激な上昇を招いているというのが正直なところです。
そうなってくると、結局のところ、ケアハウスの特定施設、すなわち、「入居条件のハードルが決して低いとは言えない施設」への入居を視野に入れようか・・・ということになってしまうのです。
ところで、「特定施設」というのがいったいなにを表すのかということで、ここからは「特定施設とは何か」というテーマでお話していきたいと思います。
特定施設とは、大きく分けると、「有料老人ホーム」と「軽費老人ホーム」のふたつに分けることができます。
そして、「軽費老人ホーム」のほうをさらに細分化することができるわけですが、実は、「ケアハウス」というのもこの「軽費老人ホーム」のひとつとして分類されているのです。
軽費老人ホームは、「軽費老人ホーム(A型)」、「軽費老人ホーム(B型)」、「軽費老人ホーム(C型)」と、それぞれ少しずつタイプが異なる3タイプの施設に分けることができるのですが、近年注目されている「ケアハウス」は、このうちの「軽費老人ホーム(C型)」に相当する施設ということになります。
ですから、特定施設と呼ばれる施設の中にケアハウスを探しているのになかなか見つからないという場合には、「軽費老人ホーム(C型)」の項目を参照するようにしてください。
ケアハウスなどの特定施設の基準
近年にわかに注目を集めるようになってきた「ケアハウス」ですが、ケアハウスに限らず、老人ホーム関連の特定施設に入居するためには、その入居基準をしっかりと満たしていなければなりません。
ケアハウスの人気が高いのにはもちろんちゃんと理由があるのですが、その理由とは、やはり「入居費用が安く、入居基準のハードルが低い」ことが挙げられます。
今の時代、幼稚園や保育園への入園と、そして、特定施設への入居が非常に難しい時代になってきましたから、上記のような条件であれば、入居を希望しているご家庭はみな一様に「ケアハウスに入りたい」ということになるのは当然の流れです。
しかし、「入居基準のハードルが低い」ということは、「ちゃんとした入居基準がある」ということと、「入居後にいろいろトラブルが起こりやすい」ことを意味しているわけですから、基準が低いからいい、入れればそれでいいという発想は、あまりにも安易であると考えなければなりません。
ケアハウスの場合、特に「所得制限が設けられていない」というのが大きな特徴になっており、これは一見すると、入居希望者にとってのメリットになっている印象もあります。
しかし実際のところ、入居してから毎月10万円を超える出費を継続的に行わなければならないわけですから、経済的なゆとりがないご家庭の場合、どうしてもこれは厳しい現実であるといわなければなりません。
入居基準のハードルが低いからこそ、事前にしっかりとチェックしておかなければならないという解釈が必要になるのがケアハウスなのです。
ケアハウスなど特定施設の指定
特定施設の指定を受けている「ケアハウス」の場合、実際のところ、けっこう重病の要介護者のご老人が入居していらっしゃるというイメージも正直あります。
そのためかどうかはわかりませんが、かなり要介護度が高いご老人の入居を希望されるご家族が最近非常に増えてきているという印象があります。
確かに、ケアハウスに入居されているご老人の中には、相当要介護度が高い方もいらっしゃいます。しかし実際には、ケアハウスの場合、そういったご老人が入居できる特定施設の指定を受けてはいません。
ケアハウスの場合、基本的には、日常生活を送る上では介護の必要はないものの、たとえば料理をしたり、洗濯をしたりするには最低限の介助が必要になるといったレベルのお年寄りが入居するための特定施設として指定されている軽費老人ホームです。
しかしそれであるにもかかわらず、なぜかなり重病のお年寄りがケアハウスに入居されているのかというと、考えられるパターンとして、入居当初、すでにかなりのご高齢であり、当時はそれほど身体的な問題はなかったものの、入居以降の時間の経過とともに、徐々に状態が悪化してきてしまい、結果的に相当な要介護度の認定を受けるレベルになってしまった・・・というプロセスが考えられます。
本来であれば、特定施設の指定どおり、要介護度の変化によって入居施設を変更する必要が生じるわけですが、しかしケアハウスの場合、基本的にそうした手間を省くことができるのです。
その結果として、入居時には認められないレベルの要介護度のお年寄りも、ケアハウスに入居しているということになるのです。
また、これをケアハウスのメリットととらえるご家族の方は少なくありません。何しろ、要介護度の変更・更新によって、転居の手間が省かれることになるわけですから、これは当然メリットと考えるわけです。
しかし、もっと大きなスケールで見ていった場合、新たな入居希望者を受け入れることができないというデメリットも生んでいるのです。
ケアハウスなど特定施設の入居条件
最近入居希望者が多くなってきている「ケアハウス」ですが、しかしこのケアハウスをはじめとする特定施設には、例外なく「入居条件」が設けられており、この条件をクリアできない限り、入居を希望していても入居することができないというのが実際のところです。
もちろん、特定施設にはいろいろなタイプがありますが、その中でも、特にケアハウスが圧倒的に入居希望者が多いのは、一般的にこの「入居条件」のハードルが低いからであると考えられます。
また、ケアハウスへの入居を希望する人の中には、「入居条件のハードルが低い」というところを誤解している人も少なくありません。つまり、「入居条件については精査せずに入居を希望してしまう」という例もあるのです。
しかし、誰でも自由に入居できるものではありませんので、そのあたりの誤解はできるだけ事前に解消するようにしなければなりません。
ケアハウスの入居条件は、「夫婦のうち少なくとも一人が60歳以上」という条件になります。
他にも細々とした条件や、施設ごとのローカルルールのようなものは当然ありますが、目立った大きな条件としては、この年齢的な部分がもっとも重要になります。
あとは、特定施設では必ず付加される「ご家族でどうにもできない事由がある場合に限り」という条件は当然加えて考えなければなりません。
ただ、実際には毎月の入居費を支払うことができるかどうかが一番の問題になる場合が多いです。
ケアハウスなど特定施設の課題
ご家庭の事情によって、ご高齢のご家族を老人ホームに入居させたいとお考えのご家庭では、やはり近年「軽費老人ホーム」への注目が高まっているといえます。
基本的には入居費用が安価に設定されているというのがその理由といえますが、しかし中でも特に人気が高いといえるのが、「軽費老人ホーム(C型)」とも表記されることがある「ケアハウス」です。
ケアハウスの場合、その他の軽費老人ホームなどの特定施設にくらべても、非常に安価な入居費であること、さらには、所得制限など制約が最小限に抑えられていることから、やはり多くの人が利用しやすい条件になっているというのが、ケアハウスの主な人気の理由ということになるでしょう。
しかしながら、ケアハウスには今後の課題も浮き彫りになってきている印象が強いです。これは、ケアハウスに限らず、こうした特定施設ならではの課題もそうです。
また、ケアハウスならではの課題も当然今後クリアしていかなければならない部分であるといえます。
たとえば、ケアハウスの場合、お年寄りの要介護度が深刻な状況に推移していったとしても、そこから追い出されるようなことがないため、入居の長期化が起こりやすいというのが今後のひとつの大きな課題になります。
これによって、同じような状況のご家族の高齢者をケアハウスに入居させることができないという事態が生じてきているのです。
しかも、これは一過性などということはあり得ず、今後ますます深刻化する高齢化社会を考える上では、この課題は非常に深刻であるといわなければなりません。
そして、この課題に関する明確な手段がなかなか見つからないというのも実際のところであり、そうなってしまうと、この手の問題は、ケアハウスをはじめとする特定施設を語る上で恒久的かつ慢性的な問題として考えていかなければならないことになってしまうのです。
こういった問題は、今は無関係でも、いずれ自分の問題となるときがやってくるわけですから、みんなで考えたい問題でもあります。