サ高住へ入居中に長期入院しても、居室の賃貸借契約が続いている限り、家賃は原則として発生すると考える必要があります。
一方、食費や一部の生活支援サービス費は、不在中の扱いが契約によって異なります。また、サ高住の登録基準では、長期入院だけを理由に事業者側が一方的に解約できないなど、居住の安定が図られた契約内容が求められています。
結論|長期入院では「契約が続く費用」と「停止・減額できる費用」を分ける
家賃・共益費・生活支援サービス費・食費・光熱費を項目ごとに確認します。長期入院を理由に事業者から一方的に解約できる契約ではないことがサ高住の登録基準上求められますが、退院後に介護・医療ニーズが変わった場合の再受入れは別に確認が必要です。
入院しても居室契約が続けば家賃は発生する
家賃は「住んだ日数」だけの料金とは限らない
居室を確保して賃貸借契約が継続している以上、不在でも家賃が発生するのが基本です。
病院代と二重負担になる期間がある
入院中はサ高住の家賃等と、病院での医療費・食事代等が重なる場合があります。
入院したら自動で家賃が止まるとは考えない
契約書・料金表で、入院時の各費用の扱いを確認してください。
共益費・生活支援サービス費は契約を確認する
| 費用 | 入院時に確認すること |
|---|---|
| 家賃 | 契約継続中の支払い |
| 共益費 | 不在でも定額か |
| 生活支援費 | 停止・減額の有無 |
| 食費 | 欠食届と締切 |
| 光熱費 | 定額か実費か |
共益費
共用部維持等の費用として、不在中も定額で発生することがあります。
生活支援サービス費
本人が不在でも契約上月額固定となっている場合があります。停止・減額できるか確認します。
光熱費
個別メーターなら使用量が減る一方、定額制なら変わらない場合があります。
食費は欠食連絡の期限を確認する
入院当日から全額止まるとは限らない
食材発注の都合で、一定日前までの欠食連絡が必要な場合があります。
何が減額されるか
食材費のみ、1食単位、一定日以降など住宅ごとに扱いが異なります。
退院時の再開手続き
何日前までに連絡すれば食事を再開できるか確認します。
長期入院だけを理由に一方的に解約できる契約ではない
サ高住の登録制度では、長期入院等を理由に事業者側から一方的に解約できないなど、居住の安定が図られた契約内容であることが求められています。
「○日入院したら自動退去」という理解は避ける
長期入院という事実だけで当然に契約終了となるものではありません。
ただし本人側から解約はできる
入院後に戻らないことを決めた場合は、契約に定める解約予告期間等に従って手続きを進めます。
POINT
「入院中も部屋を残すか」「退院後に戻る可能性があるか」を、病状の見通しと契約費用の両方から判断します。
退院後に同じサ高住へ戻れるかは別問題
契約が続いていても、退院後の本人の状態が大きく変わった場合、以前と同じ支援では生活できないことがあります。
介護量が増えた
訪問介護、福祉用具、夜間サービスを追加できるか確認します。
医療処置が増えた
訪問看護・訪問診療で補えるか、必要な時間帯に対応できるか確認します。
二人介助・常時見守りが必要になった
住宅体制で安全に支えられるかを退院前に確認します。
退院前カンファレンスで住宅側も交えて確認する
現在の身体状態
歩行、移乗、排せつ、食事、認知症、夜間状態を共有します。
必要な医療
薬、処置、訪問看護、通院予定等を確認します。
退院日
住宅側の受入れ準備、福祉用具搬入、サービス開始日と合わせます。
入院が長引くときは「戻る・解約する」を定期的に見直す
1〜2週間で結論を急がない
急性期治療中は病状が変化するため、退院後の介護量を判断しにくい場合があります。
病状が安定した時点で再検討する
医師・病院相談員から見通しを聞き、戻れる可能性と必要支援を整理します。
家賃負担も確認する
長期化するほど二重負担が大きくなるため、資金面も含めて判断します。
サ高住を解約する場合の費用
解約予告期間
何日前までに通知するかを契約書で確認します。
敷金
未払い家賃、原状回復費等を精算し、残額返還を確認します。
前払金
家賃等を前払いしている場合、途中退去時の返還計算を確認します。
荷物搬出
本人が病院から戻れない場合、家族が荷物整理を行う期限と費用を確認します。
入院中に家族が確認したいこと
- 住宅契約が継続しているか
- 毎月発生する費用
- 食費の停止・減額
- 生活支援費の扱い
- 郵便物・荷物の管理
- 退院後の受入れ条件
- 福祉用具・介護サービス追加
- 解約する場合の予告期間
退院先が別施設になった場合
次施設の受入れを先に確定する
入居判定・契約・入居日を決めてからサ高住の解約日を調整します。
二重家賃期間を見込む
引越し・荷物整理のため、数日〜一定期間費用が重なることがあります。
介護・医療情報を引き継ぐ
入院前の状態ではなく、退院時点の介護・医療ニーズを次施設へ伝えます。
長期入院時に確認したい10項目
- 家賃
- 共益費
- 生活支援サービス費
- 食費の停止・減額
- 光熱費
- 契約継続の扱い
- 退院後の再受入れ
- 追加介護・医療
- 解約予告・精算
- 次施設との二重費用
入院中の居室管理を誰が行うか
長期入院では、本人が不在のまま居室に家具・衣類・郵便物等が残ります。
換気・室内確認
住宅側がどこまで行うのか、家族が定期的に確認する必要があるのかを聞きます。
郵便物・宅配便
保管期間や家族への連絡方法を確認します。
貴重品
現金・通帳・印鑑などを居室へ残さないよう、家族と管理方法を決めます。
入院中に契約条件の変更を求められた場合
長期入院を理由に退去を求められた場合は、口頭説明だけで判断しません。
契約条項を確認する
事業者が示す理由がどの条項に基づくのか確認します。
入院そのものが理由か、退院後の状態変化が理由かを分ける
契約の問題と、介護・医療体制の問題を分けて整理します。
疑問があれば登録自治体等へ相談する
登録基準との関係が分からない場合は、都道府県・政令市・中核市のサ高住登録窓口等へ相談できます。
家計上は「戻る場合」と「戻らない場合」を比較する
戻る場合
入院中も家賃等を払い、退院後に福祉用具・訪問介護・訪問看護を追加した総額を出します。
戻らない場合
解約予告期間、原状回復、引越し、次施設の初期費用を含めます。
短期的な二重負担だけで決めない
数週間の費用差だけでなく、退院後に必要な支援を長期的に提供できるかで判断します。
まとめ|長期入院では家賃と再受入れを別々に確認する
サ高住で長期入院しても、契約が続く限り家賃等が発生するのが基本です。
一方で、食費等は停止・減額できる場合があります。また、長期入院だけを理由に一方的解約する契約ではないことが登録基準上求められます。退院後の状態変化に対応できるかも含めて、住宅・病院・ケアマネジャーで早めに確認しましょう。