住宅型有料老人ホームへの入居を検討すると、「ケアマネジャーはホームの職員が担当するのか」「今のケアマネジャーをそのまま利用できるのか」「併設の居宅介護支援事業所を使わなければならないのか」が気になる方も多いでしょう。
まず結論|住宅型では「ホームのケアマネが自動的に担当」ではない
住宅型有料老人ホームで介護保険の居宅サービスを利用する場合、要介護1〜5の人は、原則として本人が契約した居宅介護支援事業所の介護支援専門員(ケアマネジャー)が担当します。
要支援1・2の人は、地域包括支援センター等の介護予防支援が中心になります。ホームと同じ法人・併設の居宅介護支援事業所を利用するケースはありますが、住宅型だからその担当者を必ず使わなければならないわけではありません。
この記事では、住宅型有料老人ホームで誰がケアマネジャーを担当するのか、現在のケアマネジャーを継続できる条件、併設事業所との関係、担当者を選ぶときに確認したいポイントまで解説します。
住宅型有料老人ホームでは誰がケアマネジャーを担当する?
住宅型有料老人ホームは、介護付き有料老人ホームのようにホームが介護保険サービスを包括的に提供する仕組みではありません。
介護が必要な入居者は、訪問介護、訪問看護、通所介護、福祉用具などの居宅サービスを個別に利用します。その調整を担うのが、居宅介護支援事業所のケアマネジャーです。
要介護1〜5なら居宅介護支援事業所のケアマネジャーが基本
要介護認定を受けている人が居宅サービスを利用する場合、本人が契約した居宅介護支援事業所のケアマネジャーが担当するのが基本です。
ケアマネジャーは、本人の心身状態や希望を確認し、必要な介護サービスを調整します。
ホーム職員だから自動的にケアマネになるわけではない
住宅型有料老人ホームに生活相談員や介護職員がいても、その職員が自動的に介護保険上の担当ケアマネジャーになるわけではありません。
ホーム職員と、指定居宅介護支援事業所のケアマネジャーは役割を分けて考える必要があります。
要支援1・2では介護予防支援が中心
要支援1・2の人が介護予防サービスを利用する場合は、地域包括支援センター等が行う介護予防支援が中心になります。
実際の担当方法は地域や委託状況によって異なるため、入居先の市区町村や地域包括支援センターへ確認してください。
POINT
「住宅型だから誰が担当するか」だけではなく、本人が要介護か要支援かでも担当の仕組みが変わります。
ホーム併設のケアマネジャーを使わなければならない?
原則として、ホームに併設・同一法人の居宅介護支援事業所があるからといって、その事業所を必ず利用しなければならないわけではありません。
厚生労働省の居宅介護支援の基準では、利用者自身によるサービス選択が基本とされ、特定の事業者に不当に偏った情報提供や、利用者の選択を求めず同一事業主体のサービスだけを前提にすることは適切ではないとされています。
併設事業所は連携しやすいが、利用が義務とは限らない
併設事業所を利用するメリット
併設の居宅介護支援事業所を選ぶこと自体に問題があるわけではありません。
同じ建物や近隣にいることで、ホーム職員との連絡が取りやすく、本人の体調変化や生活状況を共有しやすい場合があります。
「連携しやすい」と「選択が義務」は別
ホームから「皆さんこちらを利用しています」と案内されても、それが制度上の義務なのか、単なる案内なのかを分けて確認してください。
別の居宅介護支援事業所を希望する場合は、「外部の居宅介護支援事業所を利用できますか」と具体的に聞きましょう。
同一法人かどうかだけで判断しない
大切なのは、本人の希望を聞き、必要なサービスを中立的に調整してくれる担当者かどうかです。
今までのケアマネジャーを入居後も継続できる?
住宅型有料老人ホームへ転居しても、現在のケアマネジャーを継続できる場合があります。
ただし、必ず継続できるとは限りません。
継続できるかは事業所のサービス提供地域を確認する
居宅介護支援事業所には、通常の事業実施地域が定められています。
転居先がその範囲内であれば、現在の事業所が引き続き担当できる可能性があります。
市区町村をまたぐ転居では早めに確認する
住宅型有料老人ホームへの入居で市区町村をまたぐ場合は、現在のケアマネジャーへ早めに相談してください。
継続が難しい場合は、新しい居宅介護支援事業所への引継ぎを準備します。
継続できてもホームとの連携方法を確認する
今のケアマネジャーを継続できる場合でも、ホーム職員との情報共有方法を確認しておくことが重要です。
定期的な訪問、サービス担当者会議、状態変化時の連絡先などを整理しておくと、入居後の支援が途切れにくくなります。
担当ケアマネジャーはどうやって決める?
入居前に担当が決まっていない場合は、本人・家族が居宅介護支援事業所を選び、契約して担当者を決めます。
担当候補は複数の方法で探し、本人が選ぶ
ホームから候補を紹介してもらう
住宅型有料老人ホームが近隣や併設の居宅介護支援事業所を紹介してくれる場合があります。
紹介を受けた場合も、契約前に事業所の説明を受け、本人や家族が納得して選ぶことが大切です。
介護サービス情報公表システムで探す
厚生労働省の介護サービス情報公表システムでは、居宅介護支援事業所を検索して比較できます。
所在地、運営法人、職員体制などを確認し、複数の候補から検討できます。
市区町村や地域包括支援センターへ相談する
どこへ相談すればよいか分からない場合は、市区町村の介護保険窓口や地域包括支援センターへ相談する方法があります。
CHECK|担当を決める前に確認したいこと
- 住宅型ホームに併設・同一法人の居宅介護支援事業所があるか
- 外部の居宅介護支援事業所も選べるか
- 現在のケアマネジャーを継続できるか
- 転居先が現在の事業所の通常の事業実施地域に入るか
- ホーム職員との連絡・情報共有方法
- 本人の希望する介護サービスを選択できるか
ケアマネジャーとホーム職員は何を分担する?
住宅型有料老人ホームでは、ケアマネジャーとホーム職員の役割を混同すると、誰に何を相談すればよいか分かりにくくなります。
ケアマネジャーとホーム職員は役割が違う
ケアマネジャーの主な役割
ケアマネジャーは、介護保険サービスの利用について本人の状態を把握し、ケアプランの作成、サービス事業者との調整、モニタリングなどを行います。
ホーム職員の主な役割
ホーム職員は、入居契約に基づき、安否確認、生活相談、食事提供など施設ごとに定められた生活支援を担います。
日常生活の変化はホームからケアマネへ共有する
食事量が減った、転倒が増えた、夜間の介助が増えたなど、生活上の変化はケアプラン見直しの判断材料になります。
ホーム職員とケアマネジャーが適切に情報共有できる体制かを確認してください。
担当ケアマネジャーが合わない場合は変更できる?
住宅型有料老人ホームに入居した後でも、原則として居宅介護支援事業所や担当ケアマネジャーの変更を検討できます。
「ホームと同じ法人だから変更できない」というものではありません。
変更理由を整理し、サービスが途切れないよう引き継ぐ
まず何が合わないのか整理する
担当者との相性だけなのか、説明不足なのか、希望するサービスを検討してもらえないのかによって対応方法が変わります。
同じ事業所内で担当者を変更する方法と、居宅介護支援事業所自体を変更する方法があります。
サービスが途切れないよう引継ぎを行う
事業所を変更する場合は、新しい事業所の受入れ確認、契約、ケアプランの引継ぎなどを行います。
訪問介護や訪問看護など、現在利用しているサービスを継続したい場合は、その希望も伝えてください。
担当ケアマネジャーを確認するときの質問
入居相談や見学の段階で担当体制を確認しておくと、入居後の混乱を防ぎやすくなります。
- 「このホームでは、ケアマネジャーはどこの事業所が担当する人が多いですか」
- 「ホーム併設の居宅介護支援事業所を必ず利用する必要がありますか」
- 「現在のケアマネジャーを継続できますか」
- 「外部の居宅介護支援事業所を利用する場合、ホームとの情報共有はどうしますか」
- 「ケアマネジャーへの連絡は本人・家族から直接できますか」
- 「状態が変わった場合、ホームから誰へ連絡しますか」
CHECK
「誰が担当しますか」だけで終わらず、選択できるか、継続できるか、ホームとの連携方法まで確認すると実態が分かります。
まとめ|住宅型では本人が契約した居宅介護支援事業所のケアマネが基本
住宅型有料老人ホームで介護保険の居宅サービスを利用する場合、要介護1〜5の人は、原則として本人が契約した居宅介護支援事業所のケアマネジャーが担当します。
ホームにケアマネジャーがいるように見えても、住宅型ホームの職員としてではなく、併設・同一法人の居宅介護支援事業所に所属して担当しているケースがあります。
併設事業所を利用することには連携面の利点がありますが、住宅型だから利用を義務づけられるものではありません。本人による選択が基本です。
入居前には、現在のケアマネを継続できるか、外部の事業所を選べるか、要支援の場合は誰が介護予防支援を担当するか、ホームとケアマネがどう情報共有するかまで確認してください。
CONCLUSION
担当者を決めるときは、要介護・要支援の区分、現在の担当者を継続できるか、外部事業所を選べるか、ホームとの情報共有方法を確認してください。
- 要介護者は居宅介護支援事業所のケアマネジャーが基本
- 要支援者は地域包括支援センター等の介護予防支援を確認する
- 併設事業所の利用が制度上必須とは限らない
- 現在の担当者を継続できるかは事業実施地域などを確認する
- ホーム職員との情報共有方法まで確認して担当体制を判断する