老人ホームで使うおむつ代は、すべての施設で同じ扱いではありません。施設の種類やサービス区分によって、介護保険給付に含まれて別途請求されない場合もあれば、実費として請求される場合もあります。
そのため、施設を比較するときは「月額料金におむつ代が含まれているか」だけでなく、誰が負担するのか、どの商品を使うのか、持ち込みできるのか、月にどのくらい追加費用が出るのかまで確認することが大切です。
老人ホームのおむつ代は施設によって扱いが違う
まず結論|このページで最も重要な内容
おむつ代は「老人ホームなら必ず別料金」「必ず無料」と一律には決められません。介護保険施設の施設サービスや短期入所生活介護・短期入所療養介護では、おむつに係る費用が保険給付に含まれるため別途徴収できません。一方、有料老人ホームなどでは実費負担になることがあります。契約前に料金表と重要事項説明書で確認しましょう。
おむつ代の扱いは、主に施設の制度上の位置づけと料金体系で変わります。
たとえば、介護老人福祉施設である特別養護老人ホームなどでは、おむつに係る費用が介護保険給付の対象に含まれ、別途おむつ代を徴収できない扱いがあります。一方で、有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅などでは、施設側が用意したおむつを使い、実費を請求するケースがあります。
「施設種別」だけで最終判断しない
同じ種類の施設でも、実際の請求方法や商品指定、持ち込みの可否は異なることがあります。最終的には各施設の料金表・契約書・重要事項説明書で確認してください。
介護保険施設や短期入所ではおむつ代を別途徴収できない
介護福祉施設サービス、介護保健施設サービス、介護医療院サービス、地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護では、入所者のおむつに係る費用が保険給付の対象とされているため、おむつ代を別途徴収できません。
短期入所生活介護・短期入所療養介護と、それぞれの介護予防サービスについても同様です。紙おむつだけでなく、おむつカバーやこれらに係る洗濯代など、おむつに係る費用は別途徴収できない扱いです。
一方、通所介護などの通所サービスや、有料老人ホーム・サービス付き高齢者向け住宅などでは費用の扱いが異なります。施設名だけで判断せず、利用するサービス区分と料金表を確認してください。
CHECK
介護保険施設の施設サービスや短期入所と、通所サービス・民間高齢者住宅では、おむつ代の扱いが同じではありません。利用するサービス区分まで確認することが重要です。
有料老人ホームなどでは実費負担になることがある
介護付き有料老人ホーム、住宅型有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅などでは、おむつ代が月額利用料に含まれず、実費負担になることがあります。
請求方法は施設によって異なり、次のような形があります。
01
使用枚数ごとに請求する
紙おむつ、リハビリパンツ、尿取りパッドなどを1枚単位で計算し、月ごとに請求する方法です。
02
月額の定額費用にする
一定額を「おむつ代」「衛生用品費」などとして毎月請求する施設もあります。使用量が増減したときの扱いを確認します。
03
家族が購入して持ち込む
本人に合う商品を家族が購入し、施設へ持ち込む方式です。保管場所や補充方法、指定商品の有無を確認しておく必要があります。
おむつ代は月にいくらかかる?
おむつ代は、本人の排泄状況、使用する商品の種類、交換回数、夜間の使用量などで大きく変わります。そのため、「老人ホームのおむつ代は月○円」と一律に決めることはできません。
確認するときは、単価だけでなく、1日に何枚程度使う想定かを施設へ聞き、月額の概算に直してもらうと比較しやすくなります。
月額を確認するときの質問
- 紙おむつ・リハビリパンツ・パッドの単価はいくらですか
- 平均的に1日何枚ほど使いますか
- 夜間用や大容量タイプは別料金ですか
- 月額上限はありますか
- 未使用分の定額料金も請求されますか
持ち込みできるか確認する
本人の肌に合う商品を使いたい場合や、家族が安く購入できる場合は、おむつの持ち込みを希望することがあります。
ただし、施設によっては交換作業や在庫管理を統一するため、指定商品だけを使用している場合があります。また、持ち込み可能でも、施設側での保管スペースに限りがあり、一度に大量の納品ができない場合があります。
入居前に、持ち込みの可否、指定メーカーの有無、保管数量、補充連絡の方法まで確認しておくと安心です。
本人に合わない商品を無理に使っていないかも確認する
費用だけでなく、本人に合った排泄ケアが行われているかも重要です。
サイズが合わないおむつや、吸収量が本人の状態に合っていない商品を使用すると、漏れや蒸れ、皮膚トラブルにつながることがあります。必要以上に大きな商品を常時使うことで、動きにくさや不快感が増える場合もあります。
見学や入居相談では、「どのように商品を選んでいますか」「状態が変わった場合は見直しますか」と確認すると、排泄ケアの考え方を知る材料になります。
おむつ代以外の排泄関連費用も確認する
おむつ代だけを確認しても、排泄に関する追加費用の全体像が分からないことがあります。
施設によっては、次のような衛生用品が別料金になる場合があります。
- 尿取りパッド
- 使い捨て手袋
- 清拭用品
- おしり拭き
- 防水シーツ
- 個人用の保湿剤や皮膚ケア用品
これらが「おむつ代」に含まれているのか、「日用品費」「衛生費」など別項目で請求されるのかを確認してください。
契約前に確認したいおむつ代のチェックポイント
01
おむつ代は月額利用料に含まれるか
基本料金に含まれているのか、別途実費なのかを確認します。
02
何を使ったらいくら請求されるか
紙おむつ、リハビリパンツ、パッドなど商品ごとの料金を確認します。
03
持ち込みできるか
家族購入品を使用できるか、指定メーカーや商品があるかを確認します。
04
状態が変わると費用も増えるか
介護度や排泄状態が変化した場合、使用量や商品が変わり、月額負担がどの程度増える可能性があるか聞いておきます。
05
請求内容を家族が確認できるか
使用枚数の明細が出るのか、定額なのかなど、請求の透明性も確認します。
おむつ代だけで施設費用を比べない
おむつ代が別料金の施設でも、家賃や管理費が低ければ総額では安くなることがあります。逆に、おむつ代が月額利用料に含まれていても、全体の費用が高い場合があります。
施設選びでは、おむつ代だけを切り取って比較するのではなく、家賃、管理費、食費、介護保険自己負担、医療費、日用品費、追加サービス費などを含めた毎月の総負担額で比較してください。
IMPORTANT
「おむつ代込み」という表示だけでは十分ではありません。本人の使用量を想定したうえで、実際に毎月いくらかかるのかを施設ごとに確認することが大切です。
費用は、毎月ほぼ固定して発生する家賃・管理費等と、介護保険自己負担、医療費、日用品、追加サービスなど利用状況で変わる費用に分けて整理します。表示された月額だけでなく、本人の条件を伝えて1か月の見積りを出してもらうと実支出を比較しやすくなります。
入院や外泊の際に減額される費用と継続して発生する費用は施設ごとに異なります。欠食時の食費、居室確保のための家賃・管理費、追加サービスの停止手続きなどを契約前に確認してください。
長期の資金計画では、現在の月額だけでなく、要介護度の上昇、医療費の増加、料金改定、日用品費の増減も見込みます。年金収入、預貯金、家族援助を分けて整理し、数年単位で継続できるかを確認します。
老人ホームでかかるおむつ代|施設ごとの扱いと確認ポイントについて判断するときは、一般論を本人の状態に置き換えて確認することが重要です。現在困っていること、本人が自分でできること、家族が継続できる支援の範囲を整理してから施設へ相談すると、必要な条件が伝わりやすくなります。