若年性認知症でも入れる介護施設の探し方

若年性認知症は、65歳未満で発症する認知症を指します。高齢者の認知症と比べて、本人がまだ働いていたり、配偶者や子どもを支える立場だったりすることも多く、介護施設を探すときには「認知症に対応できるか」だけでなく、年齢や生活歴に合った支援ができるかを確認することが大切です。

若年性認知症の施設選びで最も大切なこと
年齢だけで候補を絞らず、認知症の症状、介護量、本人の活動性、医療ニーズ、施設の受け入れ条件を具体的に照らし合わせて探します。

40~64歳の人でも、初老期における認知症が介護保険の特定疾病に該当し、要介護認定を受ければ介護保険サービスを利用できる場合があります。一方で、施設ごとに入居年齢や受け入れ条件が異なるため、実際の入居可否は個別確認が必要です。

若年性認知症でも介護施設に入れる?

若年性認知症だから介護施設に入れないということではありません。要介護度、認知症の症状、医療的ケアの必要性、年齢条件などが施設の受け入れ基準に合えば、入居できる施設はあります。

40~64歳では介護保険の対象になる場合がある

40~64歳の医療保険加入者は第2号被保険者です。介護が必要になった原因が介護保険の特定疾病に該当する場合、要介護認定を受けて介護保険サービスを利用できます。初老期における認知症は特定疾病の一つです。

施設ごとの年齢条件を確認する

有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅などは、施設ごとに入居年齢や要介護度の条件が設定されています。若年性認知症の人を受け入れている実績があるか、年齢だけで対象外にならないかを早い段階で確認します。

確認ポイント
「若年性認知症です」と伝えるだけでなく、年齢、要介護度、認知症の症状、できること、必要な介助、医療ニーズまで具体的に伝えると、受け入れ可否を判断してもらいやすくなります。

若年性認知症では高齢者施設との生活の違いも確認する

若年性認知症の人は、高齢の入居者より体力があり、活動量や興味関心も異なることがあります。そのため、単に認知症ケアができるというだけでなく、本人が日中をどう過ごせるかを確認する必要があります。

日中活動が本人の年代に合っているか

レクリエーションや日中活動の内容が本人に合わないと、退屈やストレスが強くなることがあります。散歩、軽作業、趣味活動、役割づくりなど、本人がこれまでの生活に近い形で参加できる活動があるかを見ます。

同年代の入居者がいない場合の過ごし方

若年性認知症では、周囲の入居者との年齢差が大きくなることがあります。同年代がいるかどうかだけでなく、年齢差があっても本人が孤立せず、自分らしく過ごせる支援があるかを確認します。

これまでの仕事や家庭での役割を支援に生かせるか

本人が長年続けてきた仕事、家事、趣味などを支援に取り入れることで、落ち着きや役割感につながることがあります。生活歴を聞き取ったうえで、本人ができることを日常生活に生かす姿勢がある施設かを見ることが重要です。

若年性認知症で確認したい認知症ケア

認知症の症状は人によって異なります。記憶障害だけでなく、失語、失行、判断力の低下、興奮、帰宅願望、外出、抑うつなどが現れることもあるため、症状に応じた個別対応が必要です。

本人の行動を一律に制止しないか

外出しようとする、仕事に行こうとする、家に帰ろうとするといった行動には、本人なりの理由や生活歴が関係していることがあります。行動だけを止めるのではなく、背景を考えながら対応する施設かを確認します。

意思確認の方法を工夫しているか

言葉でうまく伝えられなくなっても、表情、しぐさ、選択肢、写真などを使えば本人の希望を確認できる場合があります。本人抜きで家族と職員だけが決めるのではなく、できる限り本人の意思を確認する姿勢があるかが重要です。

認知症の進行後も支援を続けられるか

入居時には比較的自立していても、認知症が進行すると排泄、入浴、食事、移動などの介助が増えることがあります。将来介護量が増えたときも継続して暮らせるかを確認しておきます。

施設の種類ごとに若年性認知症の受け入れ方は異なる

1
介護付き有料老人ホーム
施設職員による介護を受けられます。年齢条件、認知症の受け入れ、医療対応、退去条件は施設ごとに確認が必要です。
2
住宅型有料老人ホーム
生活支援を受けながら、必要に応じて外部の介護サービスを利用します。介護量が増えた場合の対応力を確認します。
3
グループホーム
認知症の人を対象とした地域密着型サービスです。要支援2または要介護1~5で認知症があり、原則としてその市区町村の住民であることなどの条件があります。年齢や受け入れ状況は個別確認が必要です。
4
特別養護老人ホーム
原則として要介護3以上が新規入所の対象で、要介護1・2でも特例入所に該当する場合があります。年齢や介護保険上の条件を含めて自治体・施設に確認します。

入居前に施設へ伝えておきたい情報

1
認知症の診断名と経過
発症時期、診断名、現在の症状、これまでの変化を伝えます。
2
本人ができること
歩行、食事、着替え、排泄、会話、外出など、できることと支援が必要なことを分けます。
3
生活歴と仕事歴
仕事、趣味、家庭での役割、日課などを伝えると、施設側が本人に合った支援を考えやすくなります。
4
行動・心理症状と対応方法
不安、帰宅願望、外出、興奮、拒否などがある場合、起こりやすい状況と落ち着きやすい対応も伝えます。
5
医療情報
服薬、持病、通院先、医療処置の有無、緊急時の対応方針を共有します。

家族の生活も含めて長期的に考える

若年性認知症では、配偶者が働きながら介護していたり、子どもがまだ学生だったりすることもあります。施設選びでは、本人だけでなく家族の生活や負担も含めて考えることが重要です。

面会しやすさだけでなく家族の就労も考える

近さだけでなく、仕事後や休日に無理なく通えるか、家族が施設対応のために頻繁に休まなくてもよい体制かを確認します。

費用は長期入居を前提に確認する

若年で入居すると、入居期間が長くなる可能性があります。月額料金だけでなく、介護保険自己負担、医療費、日用品、理美容、追加サービスなどを含めた年間総額で確認します。

年齢だけで候補を除外しない

若年性認知症は、高齢者向け施設の典型的な入居者像とは異なることがあります。しかし、年齢だけで受け入れ可否が決まるわけではありません。実際の状態と施設の受け入れ条件を一つずつ確認することが大切です。

施設見学で確認したいこと

見学では設備だけでなく、本人がその場でどう感じるかを見ます。職員の声かけ、入居者の表情、日中活動、共用スペースの雰囲気、自由に歩ける範囲、外出支援などを確認します。

本人を見学に連れて行けるなら反応を見る

本人が施設を理解しにくい場合でも、落ち着いて過ごせるか、職員とのやり取りに抵抗がないか、空間に強い不安を感じていないかは参考になります。

若年性認知症の受け入れ経験を聞く

過去に若年性認知症の人を受け入れた経験があるか、どのような支援をしてきたかを具体的に聞くと、施設の対応力を把握しやすくなります。

まとめ|若年性認知症は年齢と症状の両方を見て施設を探す

若年性認知症の施設探しでは、年齢条件だけを見るのではなく、認知症の症状、介護量、本人の活動性、医療ニーズ、家族の生活、将来の進行まで含めて考える必要があります。

確認しておきたいポイント

年齢・要介護度の入居条件、若年性認知症の受け入れ経験、日中活動、認知症ケア、本人の意思確認、医療連携、介護量が増えた後の継続入居、長期的な費用を確認して比較しましょう。

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