介護付き有料老人ホームの個別有料サービスとは?追加料金を確認

介護付き有料老人ホームの料金表を見ると、「個別有料サービス」「選択サービス」「実費サービス」などの項目があり、「介護保険の自己負担とは別に何を払うのか」「排泄介助や入浴介助まで追加料金になるのか」と戸惑うことがあります。

介護付き有料老人ホームでは、特定施設入居者生活介護として本来包括的に提供すべき介護サービスについて、原則として介護保険の利用料とは別に重ねて料金を取ることはできません。一方で、本人の特別な希望に基づく個別性の高いサービスや、介護保険とは別の日常生活費などについては追加料金が発生する場合があります。

結論|追加料金になるのは「通常の介護」とは別の個別サービスや実費が中心

介護付き有料老人ホームでは、標準的な食事・排泄・入浴などの介護は特定施設入居者生活介護として包括的に提供されるため、本来の介護サービスに重ねて自由に追加料金を設定できるわけではありません。介護保険外で別途費用を受領できる介護サービスは、手厚い職員配置によるサービスか、本人の特別な希望で行う個別的な外出介助・買い物代行・標準的な回数を超える入浴介助などに限られます。さらに、理美容、私物の洗濯、日用品、行事費などの介護以外の費用が別途必要になることもあります。契約前には、料金表だけでなく「何が基本料金内で、何が1回いくら追加になるか」を具体的に確認してください。

最初に確認する3点

  • 特定施設の基本介護と追加料金を分ける
  • 何が個別有料サービスになるか料金表で確認する
  • 二重請求になっていないか契約書で確認する

個別有料サービスとは?

「個別有料サービス」は法律上の一つの統一名称ではなく、施設によって「個別サービス」「選択サービス」「有料サービス」などと呼ばれます。

一般には、基本サービスや介護保険の特定施設サービスに含まれない、本人の希望に応じて追加で利用するサービスを指します。

通常の介護サービスとは分けて考える

介護付き有料老人ホームの特定施設入居者生活介護は、看護・介護職員などが必要な介護を包括的に提供する仕組みです。

そのため、通常必要となる介護を細かく分割して、排泄介助1回ごと、食事介助1回ごとなどと自由に追加請求することはできません。

「介護付き」なのに、すべての介助が追加料金になるわけではない

厚生労働省通知では、標準的に配置された職員によって提供される特定施設入居者生活介護は介護保険給付の対象であり、利用料とは別に重ねて費用を受領できないとされています。

介護保険外で追加料金を取れる介護サービスは限定されている

介護付き有料老人ホームが、介護保険の給付対象外として別途介護サービス費用を受け取れるケースは限定されています。

手厚い職員体制による介護サービス

介護保険上の基準より手厚く看護・介護職員を配置している場合、一定の要件を満たせば、その手厚い人員体制に対する費用を別途受領できることがあります。

料金表では「上乗せ介護費」「上乗せ介護サービス費」などと記載される場合があります。

本人の特別な希望による個別的な介護サービス

通常の特定施設サービスとは明らかに異なり、本人の特別な希望で行う個別性の高いサービスについては、別途料金を受け取れる場合があります。

厚生労働省が例示しているのは、個別的な外出介助、個別的な買い物等の代行、標準的な回数を超える入浴介助などです。

重要

「個別有料サービス」と表示すれば何でも追加料金にできるわけではありません。介護保険給付に含まれる通常の介護なのか、本人の特別な希望による追加サービスなのかを分けて確認してください。

追加料金になりやすいサービスの具体例

実際にどのサービスを有料にするか、いくら設定するかは施設ごとに異なります。以下は代表的な確認項目です。

個別の外出付き添い

本人の希望で買い物、外食、散歩、墓参りなどへ職員が個別に付き添う場合、追加料金になることがあります。

施設全体の行事として実施する外出と、本人だけの希望で行う個別外出では扱いが異なる場合があります。

個別の買い物代行

本人の希望する品物を職員が個別に購入しに行くサービスは、追加料金になる場合があります。

定期的な日用品購入が基本サービスに含まれる施設もあるため、「どの買い物から有料か」を確認します。

標準回数を超える入浴介助

施設が標準的に提供する入浴回数を超えて、本人の特別な希望で追加の入浴を行う場合、追加料金を設定できる場合があります。

通常必要な入浴介助まで有料という意味ではない

特定施設入居者生活介護として必要な標準的な入浴介助そのものを、すべて有料オプションにするという意味ではありません。

協力医療機関以外への通院付き添い

通院時の送迎や院内付き添いについては、施設の基本サービス範囲を超える場合に追加料金を設定していることがあります。

「送迎」「病院内の付き添い」「待ち時間」「遠距離加算」など、項目が分かれている場合もあります。

長時間・遠距離の外出介助

通常の範囲を超える時間や距離の外出同行について、時間単位で料金を設定する施設があります。

介護以外でも別料金になる費用がある

追加料金は、介護サービスだけではありません。厚生労働省の介護サービス関係Q&Aでは、介護サービス以外の費用として、家賃相当費、日用品費、教養娯楽費、一定の行事関係費、健康管理費の一部、私物の洗濯代などを別途受領できる場合があると整理されています。

理美容費

訪問理美容を利用した場合のカット、カラー、パーマなどは実費負担になるのが一般的です。

私物の洗濯・クリーニング

通常の洗濯は月額料金に含まれていても、ドライクリーニングや特殊な衣類の洗濯は別料金になる場合があります。

日用品費

ティッシュ、歯ブラシ、個人用の衛生用品など、本人が個別に使用する物品は実費になることがあります。

教養娯楽費・行事費

本人の希望で参加する有料イベント、材料費がかかるクラブ活動、外出先の入場料などが別途必要になる場合があります。

医療費・薬代

医師の診察、薬、歯科診療などの費用は、介護付き有料老人ホームの介護保険サービス費とは別です。

医療保険の自己負担割合に応じて支払いが発生します。

おむつ代は追加料金になる?

介護付き有料老人ホームでは、介護保険施設とは費用の扱いが異なる点に注意が必要です。

厚生労働省の介護サービス情報公表システムでも、特定施設入居者生活介護について、入居費用や日常生活費としておむつ代などが別途負担になる旨が案内されています。

特養・老健などと同じと考えない

介護保険施設ではおむつ代が保険給付に含まれる場合がありますが、介護付き有料老人ホームでは施設の料金設定により別途必要になることがあります。

持ち込みできるかも確認する

施設指定のおむつを購入するのか、家族が持ち込めるのか、月額定額なのか実使用分なのかを確認してください。

おむつ代は月額差が出やすい

毎日使用する人では、1枚あたりの価格より月に何枚程度使用するかで負担が変わります。料金表に単価しかない場合は、本人の使用状況で月額を試算してもらうと分かりやすくなります。

通院付き添いはどこから有料になる?

家族の負担に影響しやすいのが通院付き添いです。

協力医療機関への送迎は料金内の場合がある

協力医療機関への定期受診は施設の基本サービスに含め、それ以外の病院は有料とする施設があります。

院内付き添いは別料金の場合がある

病院まで送迎しても、診察受付、待ち時間、診察室での付き添いまでは別料金という場合があります。

時間制料金を確認する

30分・1時間単位などで料金を設定している場合は、診察待ちが長くなると費用が増えることがあります。

確認方法

「通院介助はいくらですか?」ではなく、「病院までの送迎」「院内付き添い」「待ち時間」「帰りの送迎」を分けて確認すると、追加料金を把握しやすくなります。

追加料金は必ず事前説明と同意を確認する

介護保険外の個別介護サービスについて別途費用を受領する場合、厚生労働省通知では、サービス内容、費用、人員配置状況などをあらかじめ本人または家族へ十分に説明し、同意を得ることが必要とされています。

口頭説明だけでなく料金表を見る

「必要になったら別料金です」という説明だけで終わらせず、サービス名、単価、計算方法を確認します。

利用のたびに本人・家族の意思を確認する

本人の希望による個別サービスであれば、誰が申し込み、誰の同意で利用するのかを確認しておくと、請求時の認識違いを防ぎやすくなります。

自動的に利用されるサービスがないか確認する

理美容や行事など、希望制のサービスについては、申し込み方法やキャンセル期限も確認します。

月額料金だけでは施設費用を比較できない

介護付き有料老人ホームを比較するとき、家賃・管理費・食費などの「月額利用料」だけを見ると、実際の負担を見誤ることがあります。

本人が使いそうな有料サービスを洗い出す

通院が多い人なら通院付き添い、外出を希望する人なら個別外出、日常的におむつを使う人ならおむつ代など、本人の生活に合わせて追加費用を想定します。

1回の料金ではなく月額に直す

たとえば1時間あたりの付き添い費用が安く見えても、月に4回、毎回数時間利用すれば負担は大きくなります。

本人の利用頻度を想定して、月額・年額で比較すると判断しやすくなります。

将来の介護度上昇も想定する

現在は不要でも、将来通院回数が増える、外出時に付き添いが必要になるなど、追加サービスの利用が増える可能性があります。

重要事項説明書・料金表で確認したい8項目

契約前には、「月額○万円」という総額だけでなく、サービスごとの料金区分を確認します。

01

基本料金に含まれる介護は何ですか?

食事・排泄・入浴・移動など、通常の介護がどこまで含まれるか確認します。

02

上乗せ介護費はありますか?

手厚い人員配置に対する費用がある場合は、月額と算定根拠を確認します。

03

個別外出介助はいくらですか?

時間単位、距離、交通費、職員人数などの条件を確認します。

04

通院付き添いはどこから有料ですか?

協力医療機関とそれ以外、送迎と院内介助を分けて確認します。

05

買い物代行は料金内ですか?

定期購入と個別希望の買い物で料金が変わるか確認します。

06

入浴回数を増やすと追加料金ですか?

標準の入浴回数と、本人希望で増やす場合の費用を確認します。

07

おむつ・日用品・洗濯はいくらですか?

定額か実費か、持ち込み可能かも確認します。

08

有料サービスは誰の同意で利用しますか?

本人・家族への説明、申込方法、キャンセル方法を確認します。

追加料金に疑問があるときの確認方法

請求書に見覚えのない追加料金がある場合は、まず施設へサービス内容と算定根拠を確認します。

何のサービスに対する料金か確認する

サービス名だけでなく、利用日時、回数、時間、単価を確認します。

特定施設サービスに含まれる介護ではないか確認する

通常の介護として包括的に提供すべき内容に、重ねて料金が付いていないか確認します。

契約書・重要事項説明書・料金表と照合する

契約時に説明された料金と請求内容が一致しているかを確認します。

解決しない場合は自治体等へ相談する

施設から十分な説明を受けられない場合は、施設所在地の自治体の有料老人ホーム担当部署や介護保険担当窓口などへ相談する方法があります。

追加料金の最終チェック

  • 通常の介護サービスに重ねた請求ではないか
  • 上乗せ介護費の内容と人員体制
  • 個別外出・買い物代行の単価
  • 通院送迎・院内付き添いの料金
  • 追加入浴の条件
  • おむつ・日用品の扱い
  • 私物洗濯・クリーニング費
  • 理美容・行事・娯楽費
  • 本人・家族への事前説明と同意
  • 月額・年額に換算した実際の負担

まとめ|「月額料金+本人が使う追加サービス」で総額を確認する

介護付き有料老人ホームの個別有料サービスとは、主に、通常の特定施設サービスとは別に本人の特別な希望で利用する個別性の高いサービスです。

厚生労働省通知では、標準的に配置された職員が提供する通常の介護は介護保険の給付対象であり、その利用料に重ねて別料金を取ることはできません。介護保険外で別途介護サービス費を受領できるのは、手厚い人員配置によるサービスや、個別外出介助、個別買い物代行、標準回数を超える入浴介助などに限られます。

一方、理美容、私物の洗濯、日用品、教養娯楽費、行事費、おむつ代など、介護サービスとは別の費用が追加されることがあります。

施設を比較するときは、パンフレットの月額料金だけではなく、本人が実際に利用しそうな個別有料サービスを洗い出し、「1回いくら」「月に何回」「年間でいくら」まで試算してください。契約前に重要事項説明書と料金表を確認し、基本料金内と追加料金の境界を明確にしておくことが大切です。

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