介護付き有料老人ホームの追加費用|別途必要なお金を確認

介護付き有料老人ホームを検討するとき、「月額20万円」「月額25万円」といった料金だけを見て予算を考えると、入居後に想定より支出が増えることがあります。

介護付き有料老人ホームでは、家賃・管理費・食費・介護保険の自己負担以外にも、おむつ代、医療費、薬代、理美容代、日用品、通院付き添い、個別に希望するサービスなどが別途必要になる場合があります。

まず結論|「月額料金」だけでなく別途費用まで含めて予算を確認する

介護付き有料老人ホームでは、表示されている月額料金だけで毎月の支払いが完結するとは限りません。介護保険の自己負担、おむつ代、医療費・薬代、日用品、理美容、通院付き添いなど、本人の状態や利用内容によって追加費用が発生します。

特定施設入居者生活介護では、介護保険外で受け取れる費用について制度上のルールがあり、追加サービスを提供する場合には、施設があらかじめ内容と費用を説明し、本人または家族の同意を得る必要があります。契約前には料金表だけでなく、「個別選択によるサービス一覧」や重要事項説明書まで確認してください。

この記事では、介護付き有料老人ホームで別途必要になりやすい費用と、どこまでが介護保険サービスに含まれ、何が追加料金になるのかを確認する方法を解説します。

介護付き有料老人ホームの月額料金に含まれない費用はある?

あります。

有料老人ホームの料金表示では、家賃、管理費、食費などを「月額費用」として示していることがありますが、それとは別に本人の状態や利用内容に応じた費用が発生することがあります。

代表的なものは次のとおりです。

  • 介護保険サービスの自己負担
  • 介護保険の加算に伴う自己負担
  • おむつ代
  • 医療機関の受診費用
  • 薬代
  • 理美容代
  • 日用品・嗜好品の購入費
  • 通院付き添い・外出同行などの個別サービス費
  • 一定範囲を超えて希望する介護サービスの費用
  • 居室で個別に利用するサービス・設備等の費用

「月額○万円」の内訳を最初に確認する

同じ月額表示でも、施設によって含まれる費用が違います。

たとえば水道光熱費を管理費に含む施設もあれば、別途請求する施設もあります。洗濯や居室清掃も、基本料金に含む範囲と追加料金になる範囲が施設によって異なります。

料金比較では「月額合計」だけでなく、何が含まれ、何が別料金なのかを同じ条件で比べることが重要です。

介護に関する追加費用を確認する

介護保険の自己負担は月額料金とは別?

介護付き有料老人ホームで特定施設入居者生活介護を利用する場合、介護保険の施設サービスに相当する費用がかかります。

そのうち本人は、所得等に応じた自己負担割合に基づく金額を負担します。

パンフレットの月額表示に含まれていない場合がある

施設の広告や料金表に記載されている「月額利用料」は、家賃・管理費・食費を中心とし、介護保険の自己負担額を別記している場合があります。

そのため、「月額利用料」と「実際に毎月支払う総額」が同じとは限りません。

要介護度や加算によって介護保険部分は変わる

介護保険の本人負担は、要介護度だけでなく、施設が算定する加算や本人の状態などによっても変わることがあります。

契約前には、現在の要介護度・自己負担割合を前提にした月額見込みを出してもらうと分かりやすくなります。

「月額料金+介護保険自己負担+その他実費」で確認してください。広告上の月額料金だけで年間予算を組まないことが大切です。

「上乗せ介護費用」がかかる施設もある?

介護付き有料老人ホームでは、国の人員配置基準を超えて介護・看護職員を手厚く配置している場合など、一定の条件のもとで介護保険給付対象外の介護サービス費用を受け取ることがあります。

一般に「上乗せ介護費」「上乗せ介護費用」などと呼ばれることがあります。

何に対する費用なのか確認する

単に「手厚い介護だから月○万円」と聞くだけでなく、次の点を確認してください。

  • どの職員配置を基準より手厚くしているか
  • 全入居者にかかるのか
  • 要介護者だけにかかるのか
  • 月額固定か
  • 要介護度が変わると金額も変わるか

介護保険外に受け取れる介護費用にはルールがある

厚生労働省の有料老人ホーム標準指導指針では、介護付き有料老人ホームが、手厚い職員体制または入居者の個別選択による介護サービスとして介護保険外の費用を受け取る場合、国が定める取扱いに沿う必要があるとされています。

施設独自の名称だけでは内容を判断せず、重要事項説明書と料金表で算定根拠を確認してください。

個別に希望するサービスはどこまで追加料金になる?

指定特定施設は、利用者が選択して受ける介護その他の日常生活上の便宜について、一定の費用を別途受け取ることができます。

ただし、追加料金を請求するサービスは、内容と費用について事前に本人または家族へ説明し、同意を得ることが必要です。

契約後に初めて知る状態を避ける

次のようなサービスを利用する可能性がある場合は、契約前に料金を確認してください。

  • 追加の入浴
  • 個別の外出同行
  • 通院付き添い
  • 買い物代行
  • 追加の居室清掃
  • 追加の洗濯
  • 個別の家事支援

「利用しなくても毎月かかるか」を確認する

追加サービスの料金には、利用した回数ごとに支払う方式と、月額定額で支払う方式があります。

本人が利用しなくても請求される費用なのか、利用したときだけ発生する費用なのかを確認してください。

おむつ・日用品・理美容などの実費

おむつ代は別途必要?

介護付き有料老人ホームの特定施設入居者生活介護では、おむつ代を利用者から別途受け取ることが制度上認められています。

実際に厚生労働省の介護サービス情報公表システムでも、おむつ代を「実費」などとしている介護付き有料老人ホームが確認できます。

おむつ交換の介助と「おむつそのものの代金」は分けて考える

排泄介助やおむつ交換という介護行為は、特定施設入居者生活介護として提供される一方、おむつそのものの購入費は別途本人負担になる場合があります。

この2つを混同しないことが重要です。

持込みできるかも確認する

施設によっては、指定のおむつを施設から購入する場合と、家族が用意して持ち込める場合があります。

次の点を確認してください。

  • おむつ代は月額定額か使用量に応じた実費か
  • 施設指定品を購入する必要があるか
  • 家族による持込みは可能か
  • 尿取りパッド等も別料金か

理美容代や日用品は本人負担?

理美容、個人的に使用する日用品、嗜好品などは、基本的に本人が実費を負担するものとして扱われます。

理美容は利用したときだけ支払うことが多い

施設内へ理美容師が訪問する場合でも、カット・カラー等の料金は本人負担になるのが一般的です。

施設が一律料金を定めている場合もあれば、外部の理美容事業者へ直接支払う場合もあります。

日用品は「管理費に含むもの」と「個人負担」を分ける

ティッシュ、歯ブラシ、衣類、化粧品、趣味用品など、本人だけが使用するものは実費負担になることがあります。

一方、共用部分で使う消耗品や施設運営上必要な備品などを、別名目で二重に請求していないかも料金表で確認します。

医療費・薬代は別途必要?

介護付き有料老人ホームは介護施設であり、病院ではありません。

入居中に医師の診察を受けたり、薬を処方してもらったりした場合は、通常、医療保険に基づく医療費や薬代が別に発生します。

訪問診療を利用する場合も医療費がかかる

施設へ医師が定期的に訪問する体制があっても、その診療費までホームの月額料金に含まれているとは限りません。

医療保険の自己負担割合や診療内容に応じた費用がかかります。

薬の管理方法と薬代は別に確認する

服薬介助は施設サービスとして行われても、薬そのものの費用は医療保険上の自己負担として別途必要です。

また、薬局による居宅療養管理指導等を利用する場合は、その費用が関係することもあります。

「医療連携あり」「訪問診療あり」は「医療費込み」という意味ではありません。診療費、薬代、外部医療サービスの自己負担を別に見込んでください。

通院付き添い・外出同行は追加料金になる?

通院付き添いや外出同行は、施設ごとに無料で対応する範囲と、有料になる範囲が異なります。

協力医療機関だけ無料の場合もある

たとえば、施設の協力医療機関への通院付き添いは基本料金に含む一方、本人が希望する別の病院への通院は有料とするなど、条件を分けている場合があります。

距離や時間、付き添う職員数、交通費によって料金が変わることもあります。

「通院付き添いあり」だけで判断しない

契約前には次の点を確認してください。

  • どの病院まで無料で付き添うか
  • 有料の場合はいくらか
  • 時間単位・回数単位のどちらか
  • 交通費・駐車場代は別か
  • 家族が付き添えない場合でも対応できるか
  • 救急搬送後の付き添いはどうなるか

入浴・清掃・洗濯でも追加料金がかかる?

基本的な介護サービスとして行う入浴介助、排泄介助、食事介助などは、特定施設入居者生活介護のサービスに含まれます。

一方、本人が通常の提供範囲を超えて追加を希望する場合などは、一定の要件のもとで介護保険外の個別サービス費が設定されることがあります。

追加の入浴回数が有料の施設もある

厚生労働省の介護サービス情報公表システムでは、特定施設として通常の入浴介助を介護保険サービスで提供しながら、所定回数を超えて希望する入浴について1回ごとの料金を設定している施設も確認できます。

つまり、「入浴は無料か有料か」ではなく、基本サービスに含まれる回数・条件と、追加料金になる範囲を確認する必要があります。

清掃・洗濯も同じ考え方で確認する

居室清掃や洗濯についても、一定の頻度までは管理費等に含み、追加分は個別料金とする施設があります。

施設の「個別選択によるサービス一覧表」で確認してください。

入院中も追加費用はかかる?

入居後に病院へ入院しても、介護付き有料老人ホームとの契約が続いている間は、家賃や管理費など一部の費用が継続する場合があります。

一方、食費や利用実績に応じる個別サービスなどは停止・減額される場合があります。

入院時の費用は施設ごとの契約を確認する

次の点を契約前に確認してください。

  • 入院中も家賃は全額かかるか
  • 管理費は減額されるか
  • 食費は何日前までに連絡すれば止まるか
  • 上乗せ介護費用は入院中もかかるか
  • 長期入院時に契約がどうなるか

入院中の費用は全国一律ではありません。料金表だけではなく、入居契約書・管理規程の「入院時」「不在時」の項目まで確認してください。

追加費用はいくら見込めばいい?

追加費用はいくら見込んでおけばいい?

追加費用は本人の状態・生活スタイル・施設の料金設定によって差が大きいため、全国共通の一律金額で見積もるのは適切ではありません。

重要なのは、現在の本人の状況を前提に、施設から個別の見積りを出してもらうことです。

現在利用しているものを洗い出す

入居前に、現在毎月かかっている費用を整理します。

  • おむつ・パッド
  • 医療費
  • 薬代
  • 理美容
  • 日用品
  • 衣類
  • 通院交通費
  • 趣味・嗜好品

そのうえで、ホーム入居後に施設側で提供するものと、引き続き本人負担になるものを照らし合わせます。

「通常月」と「多くかかる月」を分けて試算する

通常月の見積りだけでなく、通院が増えた月、理美容を利用した月、日用品購入が多い月なども想定すると、資金計画を立てやすくなります。

追加費用はどの書類で確認する?

追加費用の確認では、施設のホームページやパンフレットだけで判断しないことが重要です。

契約前に、少なくとも次の資料を確認してください。

追加費用の確認資料

  • 重要事項説明書
  • 入居契約書
  • 管理規程
  • 最新の料金表
  • 介護サービス等の一覧表
  • 個別選択によるサービス一覧表

重要事項説明書のサービス一覧を見る

厚生労働省の重要事項説明書様式には、有料老人ホームが提供するサービスについて、特定施設入居者生活介護として実施するものと、個別の利用料金で実施するものを区分して記載する一覧表があります。

食事介助、排泄介助、おむつ交換、入浴介助、清掃、洗濯、買い物代行、通院付き添いなどについて、介護保険内なのか、個別料金なのか、料金はいくらなのかを比較できます。

追加費用を最も確認しやすいのは、「個別選択によるサービス一覧」と料金表です。口頭で「ほとんど追加料金はありません」と言われても、書面上の項目を確認してください。

契約前に施設へ聞きたい追加費用の質問

料金説明を受けるときは、「ほかに何かかかりますか」とだけ質問すると、確認漏れが起こりやすくなります。

追加費用チェックリスト

  • 表示されている月額料金に介護保険自己負担は含まれていますか
  • 現在の要介護度で介護保険自己負担はいくらですか
  • 上乗せ介護費用はありますか
  • おむつ代は月いくら程度ですか
  • おむつは持ち込めますか
  • 訪問診療・薬代は別ですか
  • 通院付き添いはどこまで無料ですか
  • 追加の入浴に料金はかかりますか
  • 洗濯・清掃・買い物代行の追加料金はありますか
  • 理美容代はいくらですか
  • 日用品で施設指定購入のものはありますか
  • 入院中も継続する費用は何ですか
  • 利用しなくても毎月請求される費用はありますか
  • 料金が改定される場合のルールはどうなっていますか

判断するときの順番

1
基本料金に含まれる項目を分ける
家賃・管理費・食費・介護保険自己負担などを一覧化します。
2
別料金サービスを本人の生活に当てはめる
おむつ、理美容、通院付き添い、日用品など必要なものだけ積み上げます。
3
入院・外泊時の支払いを確認する
家賃、管理費、食費、サービス費がどう変わるか確認します。
4
現在と重度化後の2通りで見積もる
介護量が増えた場合の追加費用まで比較します。

追加費用は「月額料金に何が入っていないか」から確認する

介護付き有料老人ホームでは、表示されている月額料金以外にも、介護保険の自己負担、おむつ代、医療費・薬代、理美容代、日用品、通院付き添い、個別に希望するサービスなどが必要になる場合があります。

また、同じサービスでも、基本料金や特定施設サービスに含まれる範囲と、追加料金になる範囲は施設ごとに異なります。

特定施設入居者生活介護では、本人が選択したサービス、おむつ代、日常生活上必要な実費等を一定のルールのもとで別途受け取ることが認められていますが、サービス内容と費用について事前説明と同意が必要です。

契約前には、「月額料金はいくらか」ではなく、「その月額料金に何が含まれていないか」を確認してください。重要事項説明書、管理規程、料金表、個別選択によるサービス一覧を照らし合わせ、本人の現在の状態を前提に通常月の総額を試算してもらうことが大切です。

制度確認:本記事の特定施設入居者生活介護における利用者選択サービス、おむつ代、日常生活費等の別途負担、事前説明・同意、介護保険外の介護サービス費用等に関する記述は、2026年10月20日時点で厚生労働省「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準」「介護保険法施行規則」「有料老人ホームの設置運営標準指導指針」「有料老人ホーム重要事項説明書様式」等を確認しています。実際の金額・無料範囲・入院時の取扱いは施設ごとに異なるため、候補施設の最新資料で確認してください。

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