老人ホームに入居したあと、要介護1から要介護3、要介護5へと介護度が上がった場合、「毎月の費用はどのくらい増えるのか」と不安になる家族は少なくありません。
結論から言うと、介護度が上がると介護保険サービスの自己負担は増える傾向がありますが、家賃や食費まで一律に上がるわけではありません。また、介護付き有料老人ホームと住宅型有料老人ホームでは、費用の増え方が異なります。
介護度が上がると費用はどう変わる?
要介護度が上がると、必要な介護量が増えるため、介護保険サービスにかかる費用も一般に増えます。ただし、施設の料金体系によって増え方は異なります。
介護付き有料老人ホームは介護度別の定額報酬が基本
介護付き有料老人ホームで特定施設入居者生活介護を利用する場合、介護サービス費は要介護度ごとに定められています。要介護度が上がるほど介護報酬が高くなるため、利用者の自己負担も増えるのが基本です。
一方で、家賃や管理費、食費などは介護度と直接連動しないことが多く、介護度が上がったからといって毎月の請求全体が同じ割合で増えるわけではありません。
住宅型有料老人ホームは利用する外部サービス量で変わる
住宅型有料老人ホームでは、訪問介護やデイサービスなど外部の介護保険サービスを組み合わせるのが一般的です。そのため、介護度が上がり、利用するサービス回数や時間が増えると自己負担も増えやすくなります。
また、区分支給限度基準額を超えてサービスを利用した分は、原則として全額自己負担になるため、重度化したときの費用確認は特に重要です。
介護度が上がっても変わらない費用もある
介護度が上がるとすべての費用が上がるわけではありません。料金表の内訳を分けて見ると、変動しにくい費用と変動しやすい費用があります。
居室タイプが変わらなければ、介護度だけで増額されないことが一般的です。
通常食の範囲なら介護度とは直接連動しません。ただし療養食や特別食で別料金が発生する場合があります。
施設運営にかかる固定費として設定されていることが多く、介護度とは別に決められます。
介護度上昇の影響を受けやすい代表的な費用です。
介護度が上がると増えやすい追加費用
おむつ・日用品
失禁が増えたり、常時おむつが必要になったりすると、おむつ代やパッド代、清拭用品などの実費が増えることがあります。施設によって料金に含まれる範囲は異なります。
通院付き添い・個別対応
通院回数が増えたり、個別の見守りや付き添いが必要になったりすると、保険外サービスとして追加費用が発生することがあります。何が月額料金に含まれ、何が別料金なのかを確認しましょう。
医療費・薬代
介護度の上昇そのものではなく、持病の悪化や新たな医療ニーズによって、診察費・薬代・訪問診療などの自己負担が増えることがあります。
要介護度が高いから必ず医療費も高くなるわけではありません。介護費用と医療費は分けて見積もることが大切です。
区分変更のあとに確認したいこと
要介護認定の区分変更で介護度が上がったときは、新しい負担額だけを見るのではなく、施設側のサービス内容も一緒に確認します。
新しい自己負担額
負担割合証が1割・2割・3割のどれかによって自己負担額は異なります。介護度が上がった場合は、施設またはケアマネジャーに月額の見込みを出してもらうと確認しやすくなります。
追加サービスの有無
夜間介助、通院付き添い、個別リハビリ、買い物代行など、介護度上昇をきっかけに必要になるサービスが保険外かどうか確認します。
今の施設で暮らし続けられるか
重度化した場合に、現在の施設で対応できる介護・医療の範囲も重要です。看取り、認知症対応、医療処置、夜間体制などは施設ごとの差が大きいため、費用だけでなく継続入居の条件も確認しましょう。
施設種別によって費用の増え方は違う
契約前に「重度化した後の総額」を確認する
施設を選ぶときは、現在の要介護度だけで料金を比較すると将来の負担を見誤ることがあります。見積もりを依頼するときは、現在の介護度に加えて、要介護3・要介護5になった場合の費用も確認すると安心です。
まとめ|介護度が上がったときは費用の内訳で確認する
介護度が上がると、介護保険サービス費の自己負担は増えるのが一般的です。ただし、家賃・食費・管理費まで一律に上がるわけではありません。
重要なのは、介護保険自己負担、保険外サービス、医療費、日用品費を分け、将来の重度化まで含めて総額を確認することです。施設ごとの料金表と重要事項説明書を使い、現在だけでなく将来も無理なく支払えるかを確認しておきましょう。
現在の介護度だけでなく、要介護3・要介護5になった場合の月額見込み、追加費用、継続入居条件まで確認できれば、費用面の見通しは大きく立てやすくなります。