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特養の食費・居住費は、介護保険の施設サービス費とは別にかかります。2026年8月以降の基準費用額は食費1日1,545円、居住費は居室形態により異なりますが、実際の請求額は施設との契約や負担軽減制度の適用で変わります。低所得の方は、要件を満たせば負担限度額認定により食費・居住費が軽減されます。
特養の食費・居住費は介護保険サービス費とは別にかかる
特別養護老人ホーム(特養)の月額費用を考えるときは、介護保険の自己負担分だけでなく、食費と居住費を別に確認することが大切です。
特養では、介護サービスそのものに対する費用とは別に、食事の提供にかかる費用と、居室を利用するための費用が必要です。そのため「介護保険の自己負担が月いくらか」だけでは、実際の支払総額は分かりません。
さらに、食費・居住費は誰でも同じ金額になるわけではありません。施設ごとの契約額、居室の種類、所得や資産状況による負担軽減の対象になるかどうかで変わります。
2026年8月以降の食費の基準費用額
介護保険施設の食費には、国が定める「基準費用額」があります。2026年8月以降、食費の基準費用額は1日1,545円です。
ただし、これはすべての特養で必ず1,545円を請求するという意味ではありません。基準費用額は標準的な費用の目安として定められているもので、補足給付の対象ではない方の食費は、施設と利用者との契約に基づいて設定されます。
確認しておきたい点
食費については、1日単位の金額だけでなく、欠食時の扱い、入院・外泊時の請求、特別食や行事食に追加費用があるかも確認しておきましょう。
特養の居住費は部屋の種類で変わる
居住費の基準費用額は、居室形態によって異なります。2026年時点の特養に関する主な基準費用額は次のとおりです。
- ユニット型個室:1日2,066円
- ユニット型個室的多床室:1日1,728円
- 従来型個室:1日1,231円
- 多床室:1日915円
一般に、個室のほうが多床室より居住費は高くなります。プライバシーを重視するか、費用を抑えるかによって希望する居室は変わりますが、空室状況によって希望どおり選べない場合もあります。
「基準費用額」と実際の請求額は同じとは限らない
基準費用額は、食事や居住に要する平均的な費用などをもとに国が定めた金額です。しかし、実際に利用者が支払う額とは必ずしも一致しません。
補足給付の対象ではない方については、施設と利用者の契約で食費・居住費が設定されます。したがって、同じ特養でも施設によって金額が異なることがあります。
見学時や契約前には、「基準費用額はいくらか」ではなく、「自分の場合に毎月いくら請求されるのか」を確認する必要があります。
低所得の方は食費・居住費が軽減される場合がある
一定の所得・資産要件を満たす方には、食費・居住費の負担を軽くする仕組みがあります。これは一般に補足給付と呼ばれ、介護保険の「特定入所者介護サービス費」として支給されます。
対象になると、利用者負担段階に応じた「負担限度額」が設定され、基準費用額と負担限度額との差額が介護保険から給付されます。
つまり、低所得の方については、食費・居住費をそのまま全額負担するのではなく、制度上の上限までに抑えられる可能性があります。
負担限度額認定は自動ではない
負担軽減の対象になる可能性があっても、何もしなくても自動的に安くなるわけではありません。原則として、市区町村へ申請し、介護保険負担限度額認定を受ける必要があります。
申請では、世帯の課税状況だけでなく、配偶者の課税状況や預貯金などの資産要件も確認されます。具体的な要件は制度改定で変わることがあるため、入所前に市区町村の介護保険担当窓口で確認するのが確実です。
2026年8月以降の食費の負担限度額
2026年8月から、食費の基準費用額は1日1,545円に見直されています。一方、補足給付の対象となる方の食費の負担限度額は、利用者負担段階によって異なります。
- 第1段階:1日300円
- 第2段階:1日390円
- 第3段階①:1日680円
- 第3段階②:1日1,420円
第4段階に該当する方は補足給付の対象外で、食費は施設との契約に基づく金額を負担します。
居住費の負担限度額も居室形態によって違う
居住費の負担限度額も、所得段階だけでなく、ユニット型個室、従来型個室、多床室などの居室形態で異なります。
たとえば同じ所得段階でも、ユニット型個室と多床室では負担限度額が異なります。そのため、費用を抑えたい場合は、どの居室を利用するかが月額費用に大きく影響することを理解しておく必要があります。
入所候補の施設では、現在空いている居室の種類と、自分の負担限度額を組み合わせて確認しましょう。
食費・居住費の月額は30日分だけで単純計算しない
食費や居住費は日額で示されることが多いため、「日額×30日」で概算できます。ただし、実際の請求では月の日数、入院・外泊、欠食、契約内容によって変わる場合があります。
たとえば31日の月であれば居住費の対象日数が増えることがあります。反対に、長期入院などで食事提供がない日は食費が発生しないことがあります。
そのため、家計を考えるときは1か月分のモデル料金だけでなく、年間でどの程度になるかまで確認しておくと安心です。
食費・居住費以外にも別途かかる費用がある
特養の月額費用には、食費・居住費のほかにも費用が発生することがあります。
- 介護保険サービス費の自己負担
- 医療費・薬代
- 理美容代
- 日用品費
- 衣類・おむつ以外の個人物品
- テレビ・電気製品の使用料
- 通院時の交通費や付き添い費
- 特別な行事・嗜好品などの費用
施設によって有料項目は異なるため、食費と居住費だけを見て「安い施設」と判断するのは避けたほうがよいでしょう。
おむつ代は特養では原則として介護保険給付に含まれる
特養では、通常必要となるおむつ代は介護保険の施設サービス費に含まれており、原則として別途請求されません。
ただし、本人が特別な製品を希望する場合など、通常の提供範囲を超えるケースについては施設へ確認が必要です。
費用表に「日用品費」「個人負担」といった項目がある場合は、何が含まれているのかまで確認しましょう。
生活保護受給者や低所得世帯は早めに相談する
生活保護受給者や市町村民税非課税世帯など、所得が低い方は、食費・居住費の負担軽減だけでなく、他の利用者負担軽減制度の対象になる場合があります。
特養を探し始めた段階で、施設の相談員、市区町村の介護保険窓口、担当ケアマネジャーなどへ相談し、利用できる制度を確認しておくとよいでしょう。
申請に時間がかかる場合もあるため、入所が決まってからではなく、候補施設を探している段階で確認を始めるのが現実的です。
入所前に費用表で確認したい項目
費用確認のチェックポイント
- 食費の日額と月額目安
- 居室ごとの居住費
- 負担限度額認定を使った場合の金額
- 介護保険自己負担を含めた月額総額
- 医療費・薬代の扱い
- 日用品・理美容・電気代などの実費
- 入院・外泊中の居住費の扱い
- 料金改定時の説明方法
「月額〇万円」とだけ聞くのではなく、内訳を分けて確認すると、入所後の想定外の支出を減らせます。
費用を比較するときは同じ条件で比べる
複数の特養を比較するときは、居室形態や負担軽減の適用条件をそろえて比較することが重要です。
一方の施設は多床室、もう一方はユニット型個室という条件では、居住費に差が出て当然です。また、見積書に医療費や日用品費を含むかどうかも施設によって違います。
本人の負担割合・負担限度額・希望居室を同じ条件にして月額総額を比較すると、実際の家計への影響を判断しやすくなります。
将来の費用変動も見込んで資金計画を立てる
食費や居住費の基準費用額、負担限度額は制度改定で変更されることがあります。また、本人の所得状況や世帯状況が変われば、負担軽減の対象区分が変わる可能性もあります。
そのため、現在の月額費用だけで資金計画を立てるのではなく、多少の増額にも対応できる余裕を持っておくことが大切です。
年金収入と預貯金から、毎月どの程度までなら継続して支払えるかを整理しておきましょう。
家族が確認したいのは「基準額」より本人の実際の負担額
基準費用額は制度を理解するうえで重要ですが、家族にとって最も必要なのは、本人の条件で実際にいくら支払うのかという情報です。
負担限度額認定の有無、居室形態、介護保険の自己負担割合、医療費、日用品費を含めた見積りを施設に作ってもらい、月額と年間額の両方を確認すると判断しやすくなります。
まとめ|食費・居住費は負担軽減を含めて確認する
特養の食費・居住費は、介護保険サービス費とは別に必要です。2026年8月以降の食費の基準費用額は1日1,545円で、居住費は居室形態によって異なります。
一方、所得や資産要件を満たす方は、負担限度額認定により食費・居住費が軽減される場合があります。制度の対象になるかどうかで月額負担は大きく変わるため、入所前に市区町村と施設の双方へ確認しましょう。
次に確認したいのは、本人の負担割合と希望居室を前提にした「実際の月額見積り」です。基準額だけで判断せず、すべての費用を合計して無理なく支払い続けられるかを確認してください。