サ高住の料金表を見ると、家賃・共益費・生活支援費など複数の項目が並びます。金額だけを見ると分かりにくいですが、まず「居室を借りる費用」「建物の共用部分を維持する費用」「安否確認・生活相談などのサービス費」に分けると整理しやすくなります。
重要なのは、表示されている月額が本人の実際の支払総額とは限らないことです。食費、介護保険自己負担、医療費、光熱費、保険外サービスなどが別にかかる場合があります。
結論|家賃・共益費・生活支援費は「何の対価か」を分けて確認する
家賃は居室、共益費は共用部等の維持、生活支援費は安否確認・生活相談などのサービスに対する費用です。ただし項目名や含まれる内容は住宅ごとに異なります。料金表だけで比較せず、通常月に実際に払う総額と、介護が増えた場合の総額まで確認しましょう。
家賃は「居室を借りるための費用」
家賃は、サ高住の居室を使用する対価です。同じ住宅でも、居室面積、階、方角、二人入居の可否などによって金額が異なることがあります。
最安住戸だけで比較しない
広告には最も安い居室の家賃が表示されることがあります。実際に空いている居室の家賃が同じとは限らないため、候補住戸を指定した見積りを取ります。
契約開始日から発生する場合がある
実際に引っ越す日より前に契約を開始すると、その日から家賃が発生する場合があります。病院退院日と入居日がずれる場合は特に確認が必要です。
長期入院中も契約が続けば家賃は発生する
居室を確保して賃貸借契約が継続している限り、不在だから家賃が自動停止するとは限りません。
共益費は何に使われる?
共益費は、廊下・エレベーター・共用食堂・照明など共用部分の維持管理等に充てる費用として設定されることがあります。
管理費と名称が違う場合がある
住宅によって「共益費」「管理費」など名称が異なるため、名称だけで比較せず何が含まれるかを確認します。
水道・光熱費が含まれるか
共用部の光熱費だけ含む場合と、居室の水道代等まで定額に含む場合があります。
入院中も定額で発生することがある
本人が居室にいなくても、共用部分の維持費として請求が続く契約があります。
POINT
共益費は「何となく建物にかかる費用」と考えず、どこまで含むかを書面で確認すると住宅間比較がしやすくなります。
生活支援費は安否確認・生活相談などのサービス費
サ高住では少なくとも状況把握サービスと生活相談サービスを提供することが登録基準です。生活支援費は、これらのサービス対価として設定されることがあります。
安否確認
訪室、食事時の確認、電話、センサー、緊急通報装置など住宅ごとに方法が異なります。
生活相談
日常生活上の困りごとを聞き、必要に応じ介護・医療・行政などへつなぐサービスです。
その他の生活支援が含まれることもある
住宅によっては、簡単な取次ぎやフロント対応等が含まれる場合があります。
生活支援費=身体介護費ではありません
排せつ・入浴・移乗・食事介助などは、訪問介護や特定施設の介護等として別に扱われる場合があります。
料金表の「基本サービス」と「追加サービス」を分ける
| 項目 | 確認すること |
|---|---|
| 基本サービス | 毎月必ず払う範囲 |
| 追加サービス | 使った分だけ払う範囲 |
| 介護保険 | 別契約・自己負担 |
| 医療 | 診療・薬・訪問看護等 |
| 生活実費 | 日用品・理美容等 |
掃除・洗濯
生活支援費に含まれるのか、1回ごとに追加料金が必要かを確認します。
配膳・下膳
食堂まで行けない場合に居室配膳が有料となることがあります。
通院付き添い
時間単位料金、交通費、待ち時間の扱いを確認します。
食費は別項目として確認する
食事提供はサ高住の必須サービスではないため、住宅によって契約方式が異なります。
1食単位か月額定額か
朝食・昼食・夕食を個別に注文できるか確認します。
欠食時の減額
外泊・入院・デイサービス利用で食べない場合、何日前までに連絡すれば減額されるか確認します。
介護食の追加料金
やわらか食等へ変更する場合の料金も確認します。
介護費は住宅費とは別に考える
特定施設指定がないサ高住
訪問介護、通所介護、福祉用具等を個別に利用し、その介護保険自己負担を住宅費へ加えます。
特定施設指定のサ高住
特定施設入居者生活介護の自己負担や加算、実費等を確認します。
要介護度が上がると総額が変わる
介護が増えれば訪問回数や保険外支援が増え、入居時より月額総額が高くなる場合があります。
サ高住事業者が受け取れる金銭には制度上の制限がある
サ高住事業者が入居者から受け取れる金銭は、敷金、家賃、サービスの対価に限られ、権利金・礼金・更新料等の徴収は認められていません。
外部事業者への支払いは別
保証会社、保険会社など別事業者との契約で費用が生じることはあります。
誰が受け取る費用か確認する
同じ請求書に見えても、住宅事業者と外部事業者への支払いを分けて確認します。
料金改定の条件を確認する
家賃改定
どのような条件で見直すのか、契約書を確認します。
食費・サービス費改定
物価や人件費等で変更される可能性があるため、通知方法と時期を確認します。
現在の予算ぎりぎりで決めない
長期入居では、一定の値上がりや介護増加にも耐えられる予算を考えます。
通常月・介護増加月・入院月の3つを試算する
通常月
家賃、共益費、生活支援費、食費、介護、医療、光熱費、日用品を合計します。
介護増加月
訪問介護や保険外支援が増えた場合の総額を出します。
入院月
サ高住の家賃等を払いながら、病院費用も発生する場合を見込みます。
料金表で確認したい10項目
- 実際に契約する居室の家賃
- 共益費に含まれる内容
- 生活支援費のサービス範囲
- 食費
- 光熱費
- 介護保険自己負担
- 保険外サービス
- 医療費・薬代
- 料金改定条件
- 介護増加時の総額
見積書は「本人が実際に使うサービス」で作ってもらう
料金表の最低額だけでは、入居後に必要な金額は分かりません。本人の生活を一日単位で整理し、実際に利用するサービスを見積書へ反映してもらいます。
朝に必要な支援
起床介助、着替え、排せつ、朝食、服薬など、毎朝必要な支援が何かを確認します。住宅職員ではなく訪問介護が担当する場合、その費用は住宅の生活支援費とは別です。
日中に必要な支援
デイサービス、買い物、通院、居室清掃、洗濯などを整理します。家族がこれまで無償で行っていた支援も、入居後に有料サービスへ置き換えると費用が増えます。
夜間に必要な支援
夜間のトイレ、就寝介助、転倒時対応などが必要なら、住宅の夜間体制と外部介護サービスを確認します。夜間の追加サービスは月額総額へ大きく影響する場合があります。
夫婦入居では一人分の料金表を二倍にしない
夫婦で同室に入居する場合、家賃は一室分でも、生活支援費・食費・介護費・医療費が二人分となることがあります。
一室単位と一人単位を分ける
家賃、共益費、生活支援費、食費のうち、どれが一室単位でどれが一人単位なのかを確認します。
一方だけ要介護の場合
介護保険サービス費は本人ごとに計算します。夫婦全体の家計を見るには、二人の費用を合算した見積りが必要です。
一人になった後の費用
配偶者が入院・退去・死亡した場合、二人用居室を一人で使えるのか、居室変更や料金変更があるのかも確認しておきます。
比較表を作るときは「項目名をそろえる」
住宅Aでは「生活支援費」、住宅Bでは「基本サービス費」、住宅Cでは「管理費」と書かれていても、中身が似ていることがあります。逆に、同じ「管理費」という名称でも含まれる内容が違うことがあります。
そのため、住宅名ごとの料金表をそのまま横に並べるのではなく、家賃、共益費、安否確認・生活相談、食費、介護、医療、光熱費、保険外サービスという共通項目へ置き換えて比較します。
特に注意したいのは、安い基本料金の住宅で個別サービスを多く追加すると、最終的な総額が高くなるケースです。反対に、基本料金が高くても生活支援の範囲が広ければ、追加費用が少ない場合もあります。料金の安さではなく、本人の生活に必要な支援を全部入れた後の金額で判断します。
まとめ|3項目だけでなく「実際の生活総額」で判断する
家賃・共益費・生活支援費はサ高住の月額費用を理解する基本項目ですが、それだけで入居後の支払総額は分かりません。
食費、介護、医療、光熱費、保険外サービスまで足し、本人の通常月と将来の介護増加時を同じ条件で比較しましょう。