健康型、住宅型、介護付と3種類ある有料老人ホームは、それぞれ費用も違います。どのホームにも共通しているのが「入居型」という点です。そうなると、まずは入居金または入居一時金が必要です。
これは有料老人ホームとはいえ民間事業なので、まさにピンキリで平均というものはなく、施設ごとのシステムや生活レベルによって違ってきて0から果ては数千万とも言われています。
この違いというのは生活レベルはもちろん建築物の造りや個室の広さ、サービス内容、立地条件などが関わってきます。
ごく一般的な生活レベルの有料老人ホームなら相場としては300~500万ほどですが、ホテル並みの施設に共同生活を感じさせないレクリエーション、スポーツ室や食事も毎食一流ホテル御用達のような物を使うホームとなれば「果て、キリ」の方ですね。
また、介護付有料老人ホームや住宅型有料老人ホームは要介護度数も大きく関係してきます。有料老人ホームの入居資格は60または65歳からと、介護保険が受け取れる人が対象です。
安いホームでも、やはり介護費用は要支援2と要介護5では全く違いますね。ただ、介護保険が適用される年齢に達しているのですから自己負担額は1割となります。
そのため介護費用は1割としても、やっぱりホームによるのでかかる費用の平均というものは曖昧です。
あくまで安い方のホームの相場として、健康型有料老人ホームで17~25万、住宅型有料老人ホームで17~20万、介護付(要介護3で)15~30万ほど。
中には安い一般的な生活レベルのホームでも入居金が0で管理費などが高くなる所もあります。
有料老人ホームの料金体系
有料老人ホームは入居金(初期費用や入居金一時金とも言います)という利用者が入居が決まって契約を交わす際に発生するお金と、月額費用という食費、介護費用、管理費などのお金で成り立ちます。
有料老人ホームは民間事業なので料金体系に関してはホームごとに異なります。入居金(一括)を支払い、月額利用料金を納めるというものです。
この入居金というのは有料老人ホーム特有のもので、入居申込金、施設協力金、終身利用権、入居保証金、施設利用料前払金など内訳は施設や料金システムによって異なります。
この入居金は金額に決まりは無く入居予定者のホーム使用の終身利用の想定年数などで割り出される数字だったり、施設側が運営していくための施設協力金ということもあります。
そして、終身利用料金として支払った入居金も、何らかの理由で退去した際には償却期間内であれば返還金として利用した期間の料金を除き、一定の金額は戻ってきます。
有料老人ホーム特有のシステムとはいえ最近では内訳により入居金が0で月額費用を高く設定しているホームも少なくありません。入居金がない代わりに月額が高くなります。
月額費用は、利用者が生活するためにかかる費用で、主に管理費と言われるものは住居費(家賃)や健康管理費、職員などの人件費に充当されます。
この他に介護費用、オムツ代、食費、光熱費、理容費用、娯楽費、消耗品代。また、入居者への面会者にも料金が発生する事もあります。面会者がパーキングを使用したり面談室の使用などです。
料金体系に関しては管理費の内訳が施設のシステムにより違ってくるので入居前に充分な説明を受けなければなりません。
光熱費や食費が一律料金の所もあればイベントごとに娯楽費や食費が多くかかる施設もあり、大抵は契約書にはその有無を記してあります。
有料老人ホームでの料金改定の手続き
介護付、住宅型、健康型と三つの種類に分かれる有料老人ホームでは入居中、特に長い時間を過ごす介護付有料老人ホームにて料金の改定に遭うこともあります。
そもそも老人ホームを運営するにあたり、厚生労働省からの基準省令にともなって運営していても、その基準もよく改正されるので入居中に料金の改定があってもおかしい事ではありません。
それは、月々の料金が何万も上がって半ば入居継続が無理になるような改定は無く、ごく僅かな金額なのですが契約の内容と違いが生じるという事なので手続きが必要です。
運営する側は、利用者とその御家族に説明をして了承を得る事が必要です。しかし、利用者の了承を得られなかったら改定のできないという事ではなく利用者側が消費者センターや行政の窓口に相談しなければなりません。
家賃の値上げや経営が苦しく赤字という理由がほとんどなので利用者側も了承をせざるを得ない事が多く、改定前に懇談会で事業者から改定の根拠、改定後の料金などについて詳しく説明してもらい、入居契約書に記載される料金の一部変更にも応じなければなりません。
もちろん事業者は改定後の料金をもらう前に手続きがあり、利用者側から了承を得て改定した変更後の契約書、管理規定、重要事項説明書と一緒に料金表の新旧変更届、運営懇談会の会議書、有料老人ホーム事業変更届、利用料金の清算根拠を各都道府県の窓口に提出します。
この手続きは改定後30日以内に行い、提出しなければなりません。