サ高住では、要介護度が上がっても、それだけで必ず退去するわけではありません。
必要な介護が増えた理由と時間帯を確認し、現在の住宅で支援を組み直せるか、費用を含めて判断します。特定施設指定の有無によって介護サービスの仕組みが違うため、最初に現在の住宅の制度上の位置づけを確認することが重要です。
結論|要介護度ではなく、増えた介助・夜間支援・医療を今の住宅で継続できるかを見る
同じ要介護度でも必要な支援は人によって異なります。一般型サ高住なら外部サービスを組み直し、特定施設なら施設内の介護計画を見直します。それでも支援の空白が残る場合に住み替えを検討します。
認定の変化と暮らしの変化を分けて見る
要介護度だけでは必要な支援は決まらない
同じ要介護3でも、移動に介助が必要な人、服薬や食事の声かけが必要な人、夜間の見守りが必要な人では支援が異なります。
前回認定時から何が変わったか整理する
歩行、排せつ、食事、認知症、医療など、前回と比べて変化した項目を書き出します。
急な変化は医療評価も行う
急に動けない、ぼんやりする、夜眠れないといった変化は、病気や薬の影響の場合もあります。
認定変更の相談だけで終わらせない
急な状態変化では、必要に応じて主治医へ相談し、治療可能な原因がないか確認してください。
まず特定施設指定の有無を確認する
特定施設指定がないサ高住
入居者自身が必要な介護サービス事業所を選び、訪問介護・訪問看護・通所介護・福祉用具などを利用する仕組みです。
特定施設指定があるサ高住
施設が介護計画に基づいて特定施設入居者生活介護を提供します。
一般型と同じように外部の訪問介護等を自由に保険給付で追加できるとは限りません。
POINT
「介護型」「一般型」といった広告上の呼び方より、特定施設入居者生活介護の指定を受けているかを確認すると介護保険の仕組みが分かりやすくなります。
一般型サ高住ではサービスを組み直す
| 増えた困りごと | 見直すサービスの例 |
|---|---|
| 起床・就寝介助 | 訪問介護の時間帯 |
| 入浴が難しい | 訪問介護・通所介護 |
| 歩行が不安定 | 福祉用具・リハビリ |
| 医療が増えた | 訪問看護・訪問診療 |
| 日中一人が不安 | 通所介護・見守り |
必要な時間帯に事業所を確保できるか
介護保険上利用できることと、希望する時間に訪問してもらえることは別です。
住宅独自サービスとの役割分担を確認する
安否確認・生活相談以外の介助を住宅側が有料で提供している場合は、介護保険サービスとの違いと料金を確認します。
夜間介助が増えたときは特に注意する
夜間職員がいても身体介護を担当するとは限らない
住宅職員と訪問介護職員の役割は別です。夜間に誰が排せつ介助・移乗介助を行えるかを確認します。
定期巡回等を利用できる場合もある
地域や本人の条件が合えば、定期巡回・随時対応型訪問介護看護などを検討できる場合があります。
二人介助が必要になった場合
夜間に二人での移乗が必要なら、実際に同時対応できる人員を確保できるか確認します。
医療ニーズが増えた場合
要介護度上昇と同時に、病気の進行で医療が増えることがあります。
- インスリン注射
- 経管栄養
- 吸引
- 在宅酸素
- 褥瘡処置
- 頻回な通院
処置名だけでなく回数と時間帯を伝える
日中1回なら対応できても、夜間を含む複数回では難しい住宅があります。
訪問看護で補える範囲を確認する
訪問時間、緊急時の連絡、夜間・休日の臨時訪問を確認します。
要介護度が上がると費用も変わる
一般型では介護サービス利用量が増える
訪問介護等を増やすと介護保険自己負担も増えます。
区分支給限度基準額を超える場合
対象となる居宅サービスの利用が要介護度ごとの限度基準額を超えた部分は、原則として全額自己負担になります。
住宅独自の保険外費用も増える場合がある
夜間見守り、通院付き添い、配膳等が追加されると、介護保険とは別に費用が増えることがあります。
継続できるかを判断する4つの基準
01
必要な時間に介助できるか
朝・夕・夜間を含め、支援の空白がないか確認します。
02
医療を継続できるか
必要な処置と訪問可能時間を照合します。
03
費用を継続できるか
介護保険・保険外サービスを含む月額総額を見ます。
04
家族の補完が過大でないか
毎日の家族訪問を前提にしなくても生活できるか確認します。
退去を提案されたら理由を具体化する
「介護度が上がったから」とだけ説明された場合は、何の支援が住宅体制では難しいのかを確認します。
契約書・重要事項説明書と照合する
入居継続・退去に関する条件がどう定められているか確認します。
代替方法を検討したか確認する
訪問介護、訪問看護、福祉用具、住宅独自サービス等で継続できないかを話し合います。
住み替えが必要なら支援を引き継ぐ
次の住まいへ、現在できること、必要な介助、夜間の状態、認知症の特徴、医療情報を引き継ぎます。
住み替え先の受入れが確定する前に現在の住宅を解約しないことも重要です。
要介護度が上がったときの9項目
- 前回認定から何が変わったか
- 特定施設指定の有無
- 必要な介助の時間帯
- 夜間の実際の介助者
- 訪問介護を追加できるか
- 訪問看護で医療を補えるか
- 区分支給限度基準額
- 保険外費用を含む総額
- 契約上の継続・退去条件
要介護認定の変更前から支援は見直せる
状態が悪化したからといって、新しい要介護度が決まるまで何もできないわけではありません。
まずケアマネジャーへ状態変化を伝える
いつから何が難しくなったか、夜間に何回呼び出しがあるか、家族が何を補っているかを具体的に伝えます。
区分変更申請を検討する
現在の認定と実際の状態に大きな差がある場合は、市区町村やケアマネジャーへ区分変更申請を相談します。
結果が出るまでの暫定的なケアプラン
必要に応じて暫定的なサービス計画を検討する場合があります。給付の扱いも含め、担当者の案内に従います。
費用は「介護保険」と「住宅費」を分けて再計算する
要介護度が上がると、介護保険サービスの利用可能量が変わる一方、住宅の家賃・共益費・生活支援サービス費が自動で変わるとは限りません。
一般型サ高住の試算
訪問介護、通所介護、福祉用具等を増やした場合の自己負担と、限度額を超える部分を確認します。
保険外サービスの増加も見積もる
夜間見守り、配膳、通院付き添い等を追加する場合は、介護保険外の月額も含めます。
現在より安い・高いだけで住み替えを決めない
次施設では何が月額に含まれるかが違うため、同じ項目へ分解して比較します。
まとめ|要介護度が上がったら、介護・夜間・医療・費用を一つずつ見直す
サ高住では、要介護度が上がっても自動的に退去するとは限りません。
一般型か特定施設指定かを確認し、本人に増えた支援を必要な時間帯に提供できるかを見直します。
それでも支援の空白や安全上の問題が残る場合に、住み替えを検討しましょう。




