養護老人ホームと特別養護老人ホームの違い

養護老人ホーム特別養護老人ホーム、この二つの違いは老人福祉施設かと介護保険施設か…であり、入所または利用する際には措置か選択という差になります。

養護老人ホームに入所となると市町村の措置で、特別養護老人ホームの場合は病状に合わせて選択して入所という形です。事業者も養護の場合は措置権者、特養の場合は経営者となります。

老人ホームというと介護が付き物のようですが、養護は介護認定を受ければ入所資格の対象外ですが特養の場合は介護が必要とする人が対象です。

かかる費用では共通するところが入居金や初期費用などがかからない点と支払能力によりかかる費用が設定される点ですが、他はずいぶんと違いをみせます。

養護は入所者または扶養義務のある人の収入から課税された額を基準に「措置費」として費用がかかります。特養は入居費(家賃に相当)、食費、その他雑費の他に使用した介護サービスが加算されます。

実際に利用や入所をして大きな違いが、自立した生活支援を受けながらほとんど自力で生活するか、ほとんど支援や介護、介護予防を受けて生活するか…になります。

ですから、施設内の設備はもちろん職員数も違い、自力と要介護という違いから養護と特養とでは入所者にとってそう長く利用することのない措置入所となるか、介護がなくては生活できないから入所し、終の棲家となるかに別れるのではないでしょうか。

また、途中退所する点では養護では後見人の元に帰る、又は介護が必要となり介護施設に移るという時ですが、特養では医療的なケアが必要になったら時には退所するといったように、養護は支援を必要とし、特養は介護を必要としているという大きな違いがあります。

介護保険を利用の有無での違い

特別養護老人ホームは介護保険施設で、養護老人ホームは介護保険制度を利用していません。ですから利用できる年齢も養護老人ホームの場合、一定の条件を満たしていれば65歳以下でも利用できるということになります。

いずれも利用資格のある人は介護認定を申請して要介護1以上の人となります。この二つ、一番の違いは介護保険制度を利用しているかどうかです。

養護老人ホームは介護保険が適応されず、費用も高くつく?というように考えている方が多いようですが真逆で、養護老人ホームは生活保護からきたものであり公的福祉施設(行政による措置施設)となります。

心身の健康状態や経済的な理由から御自宅での養護が困難な人が対象となり、そこへかかる費用は本人や扶養義務のある世帯収入や課税によって判断され、前年分の収入に応じて住居費や食費、雑費などもまとめて費用を決めます

特別養護老人ホームは地方公共団体や社会福祉法人が事業主体となる介護施設です。介護保険法に基づき、利用者は費用の一割負担という体制です。住居費や食費、雑費なども介護保険からまかなわれて一割負担になります。

特別養護老人ホームも養護老人ホームも医療サービスは最低限としていて、医師も常勤ではありません。

しかし特別養護老人ホームは終身型で、主に重度の要介護者が利用していて、入所した時から生活の拠点となりますが、養護老人ホームは寝たきりで身の回りの事ができない場合や病気で入院が長引いた時は退所してもらう事もあります

同じ老人ホームという括りですが、措置と終身型という大きな違いがあります。

特別養護老人ホームと養護老人ホームと軽費老人ホームの違い

特別養護老人ホームは一般的に「老人ホーム」と言われている介護施設ですが、養護老人ホームと軽費老人ホームも「老人ホーム」という名がつくだけに高齢の方が対象となる施設です。

分けるとすると、特別養護老人ホーム介護保険施設で、養護老人ホーム軽費老人ホーム福祉施設となります。

特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)は介護保険法に基づき運営しているので費用など介護保険が効き、大まかに言うと大抵の利用者の負担は一割ということになります。

中には負担限度額認定を受けている方もいるので一概に「一割負担」とも言えません。

養護老人ホームは市区町村長の措置により運営する施設で、環境や経済的な理由から自宅で生活する事が困難となった方が対象となります。

軽費老人ホームも運営する者は同じですが、介護が関わると養護老人ホームとは大きく変わってきます。

入所できる資格という点では本来は要介護1以上というものなのですが、介護を必要としない人が対象という傾向にあり、介護度が増すと特別養護老人ホームへ移ってもらうケースがあったり、それも地域によって違ったりと様々です。

現在、軽費老人ホームは様々な種類の施設があり、介護付きケアハウスというものもあります。しかし、基本としては軽費老人ホーム介護を必要とせずに一通りの自立した生活ができる人が対象です。

養護老人ホームとの違いというのが入所の手続きもあり、軽費老人ホームは直接施設へ申し込みをしますが、養護老人ホームは市町村の窓口へ申請して、認められれば入所できます。

ちなみに、特別養護老人ホームへの入所は県知事の認定を受けた居宅介護支援事業者へ依頼して、ケアマネージャーが「特別養護老人ホームへの入所」と判定します。

特別養護老人ホームと介護老人保健施設と介護老人福祉施設

「老後は老人ホームの世話になる」と言う人がいますが、その老人ホームとは特別養護老人ホームを指しているのではないでしょうか。

しかし介護施設は様々な種類があり、老人ホームの世話になるとは言いながら実は入所型の施設に入るというだけで漠然とした考えの人は多いかと思われます。

あながち間違いではないのですが、いざ介護が必要となった時の健康状態により特別養護老人ホームか老人保健施設か福祉施設かは違ってきます

いずれにしても介護認定を申請して認定を受け、介護保険サービスを受ける場所なのですが俗にいう老人ホームは医師の常勤の指定が無く、看護師が3名以上という基準の上で運営されています。

介護老人保健施設は医療と密接な介護の場で医師が常勤で1名以上と看護師が10名以上という決まりです。

終身型の老人ホームとは違い、最終的には御自宅で生活できるようにとリハビリや機能回復訓練を重視しています。従って、生活ができるようになれば退院という形になります。

介護老人福祉施設というは特別養護老人ホームと同じと考えても良いでしょう。

それは単に、介護認定を受けて介護施設の利用者となった時に介護老人福祉施設へ入る=老人ホームに入るというように考えて間違いはありません。

しかし違いをしいて挙げると、老人福祉法の許可を得て運営している老人ホーム介護老人福祉施設になります。費用も特別養護老人ホームとの差はありません。

あるとしても、同じ老人ホームという名のつく施設でも地域や設備によってどこも費用の差があるようなもので、「介護老人福祉施設が高い、特別養護老人ホームが高い」というものではありません

 

 

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