老人ホームへの入居当日は、本人にとって生活環境が大きく変わる日です。家族も荷物の搬入や書類確認、職員への情報共有など複数の対応が重なるため、事前に流れを把握しておくと落ち着いて動きやすくなります。
実際の手順は施設によって異なりますが、一般的には「到着・受付」「書類や健康情報の確認」「荷物の搬入」「職員への引き継ぎ」「本人の生活環境を整える」という流れで進みます。
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入居当日は、荷物を運ぶことよりも、本人の体調・服薬・生活習慣・緊急連絡先などを施設側へ正確に引き継ぐことが重要です。必要書類と持ち物を前日までにまとめ、当日は本人が新しい環境に慣れることを優先して進めましょう。
老人ホーム入居当日の基本的な流れ
入居当日の流れは施設ごとに異なりますが、大きく見るといくつかの段階に分けられます。時間に余裕を持ち、施設から指定された到着時刻を守ることが基本です。
01
施設へ到着して受付を行う
到着後は受付を済ませ、担当職員の案内を受けます。本人確認書類、保険証類、契約関係書類など、施設から持参を求められたものを提出します。
施設によっては当日に追加説明や最終確認が入るため、家族の代表者が同席できるようにしておくと安心です。
02
健康状態や服薬内容を確認する
現在の体調、既往歴、服薬内容、通院状況などを職員へ伝えます。薬を持参する場合は、薬そのものだけでなく、お薬手帳や処方内容が分かる資料も準備しておきます。
食事制限、アレルギー、排泄、睡眠、認知症による生活上の注意点なども、この段階で共有します。
03
居室へ荷物を搬入して生活環境を整える
衣類、日用品、使い慣れた小物などを居室へ運びます。収納場所を確認しながら、本人が必要なものを取り出しやすいように整理します。
家具や家電の持ち込み可否、電気製品の使用ルール、持ち物への記名方法などは施設ごとに異なるため、事前の確認が必要です。
04
職員から施設生活の説明を受ける
食事時間、入浴、服薬管理、面会、外出・外泊、洗濯、金銭管理など、施設生活の基本ルールについて説明を受けます。
家族への連絡方法や、緊急時に誰へ連絡するかも確認しておきます。
入居当日までに家族が準備しておく書類
書類は当日に慌てないよう、施設から渡された案内を見ながら一式まとめておきます。必要書類は施設や本人の状況によって異なります。
持参を求められることが多い書類・情報
- 健康保険証や資格確認書など医療保険関係の書類
- 介護保険被保険者証
- 介護保険負担割合証
- 診療情報提供書や健康診断書など施設から指定された医療書類
- お薬手帳・服薬内容が分かる資料
- 緊急連絡先
- 契約時に不足していた提出書類
原本提出なのかコピー提出なのかも確認します。施設側で保管する書類と、本人や家族が手元に持っておく書類を分けておくと管理しやすくなります。
持ち物は「生活に必要なもの」と「安心につながるもの」に分ける
入居当日は荷物が多くなりやすいため、最初からすべてを持ち込むより、生活に必要なものを優先して準備する方法があります。
最初に必要になりやすいもの
普段着、下着、室内履き、洗面用品、眼鏡、補聴器、入れ歯用品など、日常生活で使うものを優先します。タオルや寝具を施設側が用意する場合もあるため、重複しないよう確認します。
本人が安心できるものも役立つ
家族写真、使い慣れた時計、普段使っているクッション、小さな置物など、本人にとって馴染みのあるものがあると新しい環境への不安が和らぐことがあります。
ただし、貴重品や高価な品、大型家具は管理上の制約がある場合があります。持ち込み前に施設へ確認します。
薬と医療情報の引き継ぎは特に丁寧に行う
入居当日の引き継ぎで重要なのが服薬と医療情報です。薬の名称だけでなく、いつ・何錠飲むのか、頓服薬はどのようなときに使うのかまで伝えられる状態にしておきます。
薬は自己判断でまとめ直さない
服薬方法や薬の管理方法は医師・薬剤師の指示と施設の運用に従います。家族が独自に薬を分け替えたり、服用方法を変更したりせず、現在の処方内容が分かる形で引き継ぎます。
血糖測定、インスリン、在宅酸素、吸引、経管栄養など継続的な医療対応がある場合は、入居前の段階で施設の対応可否を確認しておく必要があります。当日に初めて伝える状態は避けます。
本人の生活習慣を職員へ伝えておく
施設側が知っておきたいのは、病気や介護度だけではありません。本人がこれまでどのような生活をしてきたかも重要な情報です。
起床・就寝時間や食事の好み
朝型か夜型か、食事量、苦手な食べ物、飲み物の好みなどを伝えておくと、生活を整える参考になります。
不安になりやすい場面や落ち着く方法
認知症がある場合は、どのような場面で不安や混乱が起こりやすいか、声をかけるときに避けたほうがよい言い方、落ち着きやすい習慣なども共有します。
本人の生活歴や好きなこと、以前の仕事、趣味なども、職員が本人との関係を築くための手掛かりになります。
入居当日に家族が確認したい施設側の説明
契約時に説明を受けていても、実際の生活が始まると細かな疑問が出ます。入居当日にもう一度確認しておくと、その後の家族対応がスムーズになります。
01
家族への連絡方法
体調不良、転倒、受診、入院などがあった場合に誰へ連絡するのか、第一連絡先と第二連絡先を明確にしておきます。
02
日用品や衣類の補充方法
施設側が用意するものと家族が補充するものを確認します。消耗品を施設が立て替える場合は、費用の扱いも確認します。
03
面会・外出・外泊の手続き
面会時間、予約の要否、外出・外泊時の届出方法などを確認しておきます。感染症流行時などは運用が変わる場合があります。
費用や金銭管理も当日に最終確認する
入居後は月額費用のほかに、医療費、理美容費、日用品費、個別サービス費などが発生する場合があります。当日は、支払方法と請求の流れを改めて確認します。
本人に現金を持たせる場合は、施設が預かるのか、本人管理なのか、家族管理なのかを明確にします。紛失や家族間の認識違いを防ぐため、金銭管理の方法は曖昧にしないことが大切です。
家族が帰るタイミングは本人の状態を見て決める
家族が長く付き添えば安心する人もいれば、かえって帰宅したくなる気持ちが強くなる人もいます。入居当日の付き添い時間に一律の正解はありません。
本人の表情や疲れ具合を見ながら、担当職員と相談して帰るタイミングを決めます。家族が帰った後の過ごし方や、必要に応じて連絡してもらえるかも確認しておくと安心です。
POINT
別れ際に不安が強い場合は、家族だけで判断せず、その日の本人の様子を知っている施設職員と相談して対応します。
入居後数日は家族も様子を確認する
入居当日が終われば手続きがすべて完了するわけではありません。新しい生活に慣れるまでの期間は、本人の様子や施設からの連絡を確認します。
食事・睡眠・排泄・表情の変化を見る
環境が変わると、食欲や睡眠、排泄リズムなどに変化が出ることがあります。施設から状況を聞き、気になる変化が続く場合は対応を相談します。
持ち物や生活用品の不足を補う
実際に暮らし始めてから必要になるものもあります。職員から不足品を聞き、必要なものだけ追加します。
入居当日に慌てないための最終チェック
前日までに確認しておきたいこと
- 施設から指定された到着時刻
- 必要書類と保険証類
- 服薬・医療情報
- 当面必要な衣類と日用品
- 持ち込み禁止品の有無
- 緊急連絡先
- 当日の家族の役割分担
- 支払方法や金銭管理方法
- 家族が帰った後の施設側の対応
老人ホームへの入居当日は、家族にとっても慌ただしくなりやすい日です。ただし、最も大切なのは荷物を完璧にそろえることではありません。本人の健康状態や生活習慣を施設へ正確に引き継ぎ、本人が新しい生活を始めやすい環境を整えることです。

